三菱航空機「MRJ」にまた暗雲、「ボンバルディアの機密資料をメールで不正入手」と訴えられる
国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」に、新たな暗雲が立ちこめています。詳細は以下から。
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The Seattle Timesの報道によると、大手航空機メーカー・ボンバルディアが三菱航空機をアメリカ連邦裁判所に提訴したそうです。
三菱航空機が開発している航空機「MRJ」は現在、アメリカや欧州の航空機に関する規制をクリアしたことを示す「型式証明」を得るのに苦戦しており、初号機の納入が遅れに遅れているのが現状。
状況を打開すべく、三菱航空機とシアトルのAeroTECは競合他社などから人材獲得を進めており、ボンバルディアの「Cシリーズ」開発に携わった飛行試験チームの元ディレクターや飛行試験プログラムマネージャーなど92人を採用したとされています。
しかしその際、ボンバルディアのエンジニアの一人が三菱航空機に勤務する数日ないし数週間前に「敏感で独占的な営業機密情報数百ページ分」をメールで送信したとのこと。
ボンバルディアは三菱航空機およびAeroTECに損害賠償だけでなく不正に入手した情報を使用しないこと、従業員を募集して情報を入手するのをやめさせることなどを求めています。
なお、MRJは2013年に初号機が納入される予定でしたが、納期が5度延長されて2020年にずれ込み。1500~2000億円程度とみられていた開発費がリージョナルジェット分野で競合するブラジル・エンブラエルの時価総額を上回る6000億円規模に膨らむなど、お世辞にも順調ではありません。
さらに今年、エンブラエルがMRJの競合機と目されていた「E190-E2」の納入にこぎつけてしまった上、大手航空機メーカー・ボーイングがエンブラエルと、今回三菱航空機を提訴したボンバルディアがエアバスと提携するなど、事業環境も激変しています。
かつて空を駆けた国産航空機「YS-11」が採算を取れず、生産終了した経緯と同じ轍を踏む気配が濃くなってきたMRJ。
完成にこぎ着けても継続的な事業として成り立たなければ意味がないわけですが、この訴訟はMRJ開発にどのような影響を与えるのでしょうか。
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