経産省主導で日立、東芝、ソニーの中小型液晶事業を統合し、世界に対抗できるディスプレイメーカーを作ったところ、ポスト液晶に向けた大規模な投資もできず、過当競争市場で国の顔色をうかがいながら赤字を垂れ流し続ける存在となってしまったジャパンディスプレイ。
かねてからウワサされてきた「中国からの出資受け入れ」が、現実になりそうです。詳細は以下から。
NHKの報道によると、ジャパンディスプレイが中国の企業やファンドで作るグループから大規模な出資を受け入れる方向で交渉を進めていることが明らかになったそうです。
4年連続で赤字となっている同社は抜本的な経営の立て直しが必要ですが、まず総額500億円規模の支援を行うことで中国勢が株式の33%以上を占めるとのこと。
さらに5000億円規模の資金を拠出し、ジャパンディスプレイの技術を活用した有機ELパネルなどの新工場を中国国内に建設することも検討中。
経産省所管の産業革新投資機構(INCJ、旧:産業革新機構)も資金面で新たな支援に乗り出す方向で調整を進めているとも報じられています。
しかしINCJは経産省が強く関与する方針を示したことなどが不信感を呼び、民間取締役9人が一斉退陣するなど、ガタガタの状態。
これまで経産省の元で厳しい経営が続いてきた同社ですが、大規模な投資が行われ経営環境に変化が訪れることで、再び存在感を示せるようになるのでしょうか。
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