顔を隠しても無駄!「歩き方」から個人を特定できる監視システムが爆誕


マスクをしても、後ろを向いていても逃げることはできなくなります。詳細は以下から。

中国といえば、全国に広がる「天網」という顔認証システムによって犯罪者や行方不明者を高精度で発見している事が数年前からニュースなどで報じられていますが、さらに新技術が導入されることになりそうです。

驚異的な顔認証システムであっても、顔が見えていなければならないという決定的な弱点を抱えています。例えば後ろを向いている人や、マスクなどで顔を隠している場合は認証できません。この弱点を補うのが「歩き方認証」というシステム。


歩き方認証は中国のAIスタートアップ企業Watrixが開発したもの。Watrix社は映像からシルエットとして人間を抜き取る形で、数千人もの体型、腕の振り方、姿勢、爪先の付き方や離し方などから人間の歩き方を解析しました。

それぞれの歩き方はデータベース化され、ソフトウェアによって個人の特定を行います。Watrix社の公式ステートメントによると、研究所での実験レベルで正確さは96%を超えているとのことです。

Watrix社の協同創始者でチーフエグゼクティブのHuang Yongzhenさんによると、足をスカートやローブのようなゆったりとした服で隠すことで認証率は低下します。

しかし歩き方認証では足だけでなく全身の動きを解析しているため、完全に追跡から逃れることはできません。別の言い方をすれば、変装すらも歩き方から見破られる可能性があるということです。


なお、この歩き方認証システムはソフトウェアであり既存の監視カメラを使用できるため、導入コストも大きなものではありません。これまでに中国の公安と共に数千時間に及ぶテストを重ねて数十件の事件の解決に寄与しているとのこと。

既に北京と上海の当局がこの歩き方認証を指名手配半や交通違反者の特定に用いている他、2018年10月時点でシンガポール、インド、ロシア、オランダ、チェコの民間警備会社との契約が進展中とされています。

現在のバージョンの歩き方認証はリアルタイムでの特定はまだできませんが、1時間分のデータなら10分程度で、94%超の正確さで特定が可能とのこと。

なお、Watrix社は顔認証システムも手がけており、量システムの併用を推奨しています。さて、あなたは逃げ切れるでしょうか?

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