さて、フィンランドを満喫したBUZZAP!取材班は一路アイスランドへと飛びました。この上なく物価の高いアイスランドをどうやって自由かつリーズナブルに旅すればいいのか、丸ごとお伝えします。詳細は以下から。
神々の世界を思わせる雄大な景色、凍てつく氷河、ビョークやシガーロスといった比類なきアーティストたち。アイスランドは日常をはるかに超えた遠い世界を思わせてくれる存在です。
そうしたイメージを実際のアイスランドは裏切ることなく、むしろ想像を超えた形で私たちの前に広がります。
ではそんなアイスランドを実際に旅するにはどうすればよいのか。BUZZAP!取材班が実際に訪れたのでレポートします。
◆「世界で最も物価の高い国のひとつである」という事実
まず最初に認識しておかなければならないのは、アイスランドは世界でも最高レベルに物価の高い国だということ。その高さはあのフィンランドが格安に思えるほどのレベルです。
例えばフィッシュアンドチップスは20ドル程度、ピザは30ドル程度。ビール1杯14ドル程度と考えてみると感触が分かるでしょうか。
宿も夏場となれば、大部屋のドミトリーですら100ドル近くなります。また、観光地を巡るツアーもそれぞれにお金が掛かりますし、公共交通機関も使いにくいため、安く旅をするオプションが少ないのです。
では、どうしたらいいのか。順を追って見てみましょう。
◆アイスランドの「走り方」
物価の高いアイスランドをどのように旅するのが最も自由でリーズナブルなのか。BUZZAP!編集部としての答えは「レンタカーで回りながらキャンプ場に泊まって自炊する」です。
レンタカー代はそれなりですが、宿代+食費+バスツアー代を考えるとむしろ割安で、しかもアイスランドの雄大すぎる景色の中を自由に走り回り、自分の行きたい場所をガンガン巡れるという利点があります。
基本的にアイスランド人には英語が通じるため言葉の心配は要りませんし、車両が右側通行である事を除けば、車も少なく道路も(ハイランドと呼ばれる内陸の山岳地帯を除けば)大体整備されているため不安も大きくはありません。
キャンプ場はアイスランド全土に点在しており、日本からテントやキャンプ道具を多少運ぶ手間こそあるものの、基本的に快適に過ごすことができます。
なお、キャンプサイトの値段は1人1500円から2000円程度となっていますが、場所や設備に寄っても変動します。
◆アイスランドへの飛び方
アイスランドへは現在日本からの直行便はありません。よって、ヨーロッパ諸国を経由するフライトを考える必要があります。
今回BUZZAP!取材班はフィンランドのヴァンター国際空港からアイスランドのレイキャビク国際空港へのフライトを利用しました。
使ったのはフィンエアーの直行便で、価格としては3万3000円前後、フライト時間は3時間半程度となります。なお、フィンランドとアイスランドには3時間の時差があるので到着してからの動きを事前にスケジューリングしておくのが無難です。
日本からの便で探しても高価な上にトランジットが極めて長いものが多いので、そんな場合はまずフィンランドまでの直行便を買い、それとは別途でアイスランドへのフライトを取るのがお勧めです。
フィンランドで時間が余る?北欧通信ではフィンランドの楽しみ方をじっくり紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
◆事前の準備について
・パスポート
アイスランドは観光目的の旅で90日以内の滞在ならビザ取得の必要はありません。ただしパスポートの有効残存期間はアイスランド出国時に3ヵ月以上必要なため、あらかじめチェックしておいてください。
なおコレクターの方には悲報かもしれませんが、アイスランドはシェンゲン協定加盟国のため、EU諸国などの加盟国からのフライトではパスポートに入国スタンプは押されません。
・クレジットカード
北欧全般がそうですが、アイスランドもどこでもクレジットカード払いが基本です。敢えて現金化しなければ、最後まで現金を目にすることなく出国する可能性すらあります。
なので、VISAやMasterCardのクレジットカードは忘れずに持っていきましょう。特にレンタカーの予約には必須です。
・レンタカーの予約
レンタカーは事前に予約しておくことを強くお勧めします。お勧めなのは日本語での相談も可能な「Guide to Iceland」の「アイスランドの格安レンタカーを検索 _ 日本語でお問い合わせOK!」というサイト。
7月に3日間のレンタルがでオートマの「Suzuki Swift 2015」もしくは同クラスの車両がガソリン代別で180ドル程度という価格感になります。
なお基本的な保険は付属していますが、「飛び石保険」には加入しておいた方が無難であるとのことです。
また車体の屋根がテント状になって泊まれる「ミニキャンパー」という車種もあり、こちらはオートマで350ドル程度から。お高くはなりますが、日本からテントを運ぶ手間が省けるため、荷物のコンパクト化を優先するのであれば選択肢として考えてもよさそうです。
・キャンプ場のチェック
キャンプ場は基本的に事前予約は要りません。当日訪れて受付で支払うか、係員が回収に来た時に支払うスタイルの場所が多いので、とりあえず行ってしまいましょう。
キャンプ場はアイスランドに到着してからその日の予定に合わせて探してもいいですが、夏期はヨーロッパからのキャンピングカーでの旅人を含めて結構混雑するので、到着はある程度早めの時間帯がおすすめ。
どこにどんなキャンプ場があるかは以下のサイトで情報を検索できますが、こちらのPDFもダウンロードして持参しておくとよいでしょう。
「Camping _ Welcome to East Iceland」
「Campsites in Iceland」
「Visit iceland - Japanese root」
「Camping In Iceland - NAT」
・大まかな旅のプランの策定
長期の休みが取りにくい日本人にとって、アイスランドへの旅は往復の時間も考えれば滞在はせいぜい4~5日というのが現実的でしょうか。その間にどこを見たいのか、何をしたいのかは大まかに決めておきましょう。
目的地としては、首都のレイキャビク、巨大温泉プールのブルーラグーン、主要な観光名所の集まる「ゴールデンサークル」などが上がるでしょう。
そこに各自の興味や旅の日程などを加味した上でプランを作る事になります。アイスランドは北海道程度の大きさがあり、各地の移動にはそれなりに時間が掛かるので、現地に着いてから迷っているのは文字通りの「時間の無駄」です。
観光名所については今後の北欧通信で可能な限り紹介していくので参考にしてみてください。
・スマートフォン
もちろんアイスランドでもスマホは使用可能です。むしろレンタカーで回るのであれば必須アイテムと言っても過言ではありません。
レンタカーのカーナビのオプションは有料の場合が多い上に、海外の製品のため言語や操作に戸惑う可能性もあります。そんな時に最も役に立つのはやはりGoogle Map。
使い慣れている操作感のため安心ですし、事前に訪れようと思っている場所をGoogle Mapに登録しておけば、その時になって迷うこともありません。ワンクリックでナビをしてくれます。
キャンプ場やレストラン、スーパーなどの施設についてもリアルタイムで検索でき、今回の旅程ではいずれの局面でも極めて大きな役割を果たしました。
なお、SIMカードは空港のコンビニで購入可能。31日間有効で3000円程度というのが最安値ですが、4G+対応でデータ通信は10GBとなっており、数日間の旅行で足りなくなることはまずありません。
もちろん充電切れになっては元も子もないのでシガーソケット用のカーチャージャーも準備しておきましょう。
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・キャンプ用品の用意
まず、アイスランドは夏期でも最高気温は20度程度の事が多く、夜間は冷え込みが激しいので防寒具は必須です。カイロなども多めに持っていくと快適になります。
また、BUZZAP!取材班が訪れた時は奇跡的に天気が良かったのですが、夏でも冷たい雨が降り続ける事が多いため雨具もしっかり持っていきましょう。
とはいえ夏期には氷点下には下がらないので、テントは夏用のもので大丈夫。なお、身体を冷やさないためにテントの床に敷くマットと寝袋もお忘れなく。「春や秋に山梨県の『ふもとっぱら』でキャンプをする程度の装備」と言えば、どの程度かは多少伝わるでしょうか?
加えて、自炊をするのであればガスカートリッジ用のバーナーコンロを持っていくと良いでしょう。キャンプ場によってはキッチンを使用できますが、他の人と共用のため、自分でも煮炊きできるようにしておくと便利です。
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ガスカートリッジ用と指定しているのは、アイスランドでよく売られているのが画像下段のタイプのガスカートリッジであること、そしてなによりもキャンプ場の「Give Away」コーナーに帰国する旅人が残していったガスカートリッジが残されている事が多いためです。
なお、ガスカートリッジは日本から飛行機で持っていくことはできないので要注意です。
調理器具としては登山用のクッカーがあると便利ですが、コップや皿、箸などは100均や使い捨てでもいいかもしれません。
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食料に関しても、インスタントのコーヒーやスープ、味噌汁やカップ用ヌードルなどを日本から多少持っていくのがおすすめ。
寒い夜や朝に暖を取れますし、アイスランドの物価は本当に高く選べる商品の品目も多くはないため、荷物に余裕があれば詰め込んでいきましょう。
もちろん食料に関してはここまで徹底しなくても、レストランやガソリンスタンドのイートインなどで賄うこともできます。ただし、レイキャビクを遠く離れた場合にはそうしたチャンスも減っていくので油断なされぬよう。
さて、次回はレイキャビク空港到着からレンタカーを借りるまでの流れをお伝えします。
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