「時間のない島」が世界で初めて誕生へ
ファンタジーのような話に聞えますが、実は極めて合理的な要求でした。詳細は以下から。
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時間とは何でしょうか?それはチクタク進む時計の針が表すもの。ではその時計が表す24時間は何に基づいているのでしょうか?
それは地球が自転する周期であり、太陽や月をはじめとした星々の運行そのものでもあります。
ではもしも、毎日朝が来なかったら?毎日夜が来なかったら?
私たち日本人にはあり得ない仮定に聞えるかもしれませんが、そうした場所がこの地球上には存在しています。そう、白夜と極夜の発生する緯度66.6度を超える北極圏や南極圏の話です。
ノルウェー北部のソムロイはスカンジナビア半島の北端近くの島に位置する人口300人余りの小さな漁村。夏には澄んだ海と白く美しいビーチ、冬にはオーロラを求めて観光客も訪れます。
そんなソムロイは5月18日から7月26日まで、69日間に渡って太陽が沈まない長い白夜の季節を迎えます。そしてこの時期、ソムロイでは伝統的な時計の時間は基本的に無視されることになります。
住民のKjell Ove Hvedingさんは「街の伝承で『真夜中の午前2時』と呼び習わされる時間に、子供たちがサッカーをして遊び、人々が家のペンキ塗りや芝刈りを行い、若者たちが泳いでいるのを見ることができるでしょう。我々の多くは、自分たちが何世代も続けてきたことを単純に公的なものと認めて欲しいだけなのです」と述べています。
この「時間のない島」というフレーズは魅力的だったため、ソムロイがこの計画を発表した後観光客は大きく増加しました。ですが、ソムロイの住民たちはこの計画を単なる観光キャンペーンではなく実生活のための真剣な提案だと捉えています。
住民たちは既にノルウェーの国会議員に署名を渡し、彼らの努力の実務的、法的な影響について議論を行っています。住民たちの主張が通れば、ソムロイは学校や仕事の時間を伝統的な時計の上での時間からより柔軟に調整できるようになります。
もしソムロイが世界初の「時間のない島」になれば、終わりなき夏を夢見る観光客がこれまで以上に訪れることは間違いなさそうです。
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