【前編】京都の奥座敷「高雄」を大混雑の紅葉シーズンでも快適に訪問できる裏技


いよいよ始まる京都の紅葉シーズン。激混み過ぎてアクセスの難しい京都の奥座敷「高雄」を快適に訪れる方法がありました。詳細は以下から。

紅葉といえば色付いた山々の風景を眺めるのが全国的なスタンダードですが、京都では熟練の庭師らによって美しく整えられた枝振りの紅葉をお寺のお庭で鑑賞するのが醍醐味。

鉄道会社の有名な某キャンペーンの影響もあり、東福寺や永観堂、真如堂をはじめとした多くのお寺に紅葉を愛でるために観光客が怒濤の如く殺到します。

市内のお寺であれば激混みであってもどうにか訪問はできますし、毎日の通勤ラッシュで鍛えられた首都圏からの観光客にとっては特別苦痛ですらありません。

ですが市内から少し離れ、アクセスが限られる寺社仏閣では訪問自体が容易ではなくなってしまいます。

そんな場所の筆頭が京都の奥座敷のひとつとして知られる紅葉の名所「高雄」です。神護寺や高山寺といった超有名寺院が存在し、ガイドブックなどでも頻繁に紹介されていますが、バスかタクシー、自家用車しかアクセス方法はありません。

京都駅発のJRバス、四条烏丸発の市バス共に紅葉シーズンにはバス待ちは長蛇の列となり、ぎゅうぎゅうに詰めても乗り切れない場合も多々あります。その状態で1時間以上、半分は山道を行くのはなかなかハードですし、帰りも同じコースに乗るしかありません。

駐車場も数が限られているため、せっかく車で高雄まで行っても寺社仏閣付近が満車だったり、最悪離れた駐車場にも停められないパターンも考えられます。

ではどうすれば楽しく快適に高雄の美しい紅葉を楽しめるのでしょうか。それ嵐山から清滝に向かい、清滝川沿いを1時間トレッキングするルートを歩くのです。BUZZAP!取材班はほんのり山々の色づき始めた阪急嵐山駅に向かいました。

阪急嵐山駅には売店がある他、駅前にはコンビニがあり、週末を中心にお弁当の屋台なども出されています。この先でお弁当やお菓子などの食料を買える場所は高雄までほとんどないため、途中で飲み食いするものは必ずここで買っておきましょう。

そして駅を出て右手奥にある京都バス94系統(清滝行き)停留所に並びます。時間帯によってはそれなりに混みますが、乗車時間はせいぜい30分。半分近くは途中の大覚寺で下車し、残りの半分は終点の清滝から愛宕山を目指す登山客です。

こちらが終点の清滝停留所。帰りもバスに乗るのであれば、時間をチェックしておきましょう。ただしここから嵐山の駅までは清滝トンネルを抜けて下り坂を30分ほど歩くだけなので、あまり気にする必要はありません。
バス停から左手の下り坂を下りて清滝の集落に向かいます。なお、右手の道からも行けますが駐車場しかなく、ちょっと味気ない感じです。

清滝川に掛かる渡猿橋です。以前は保津峡からここまでトレッキングした記事をお伝えしたこともありましたね。

今回はまだ紅葉はようやく色づき始めといったところ。

時の止まったような集落の中を歩きます。

柚子が売られていました。思わず買ってしまいます。

集落を抜けると愛宕神社の鳥居が見えてきます。バスから降りた登山客はほとんどこちらに向かいます。

その先の橋のたもとをさらに川沿いに進みます。なお、最後の公衆トイレは橋を渡った駐車場のところにあります。自販機もこの周辺を過ぎると高雄までありません。


大体のルートはこんな感じです。

こちらに向かう集団も愛宕山の別ルートからの登山客でした。

廃墟となっている清滝記念会館。

呼吸が一番だよ~

かなり高いところを川を見下ろしながら歩いて行きます。

道から見えた滝。

700m程で分岐点に辿り着き、山道を下り始めます。

道の修復は終わっているものの、2018年の台風21号の爪痕があちこちに残っていました。

10分ほどで清滝川に出ました。

ひんやりとした川沿いを歩きます。

これも台風21号の爪痕。危険はなさそうですが、自然の猛威の恐ろしさを感じさせられます。

湿度のせいか、道端にキノコが。

川の色が澄んだ青色をしています。夏は水遊びもできそうなほど綺麗な水ですね。ところどころ色付いた木々が姿を見せます。

川のせせらぎと鳥の声、風の音だけが静かに響きます。トレッキングルートとしてこの上なく心地よいのが清滝川の何よりのポイントです。


小さな素敵な滝がありました。

中間地点にはベンチと壊れかけの東屋が。焚き火を楽しんでいるおじいさんがいました。

その先で川を渡ります。ここの川原もひと休みするのにいいですね。

この辺りの木々が一斉に色付いたら…。もうこのトレッキングだけで紅葉狩り満足なのではと思うレベルです。

一瞬、植林された杉林に入ります。整然とした垂直方向に伸びる景観が目に新しい感じですね。ここを抜けると高雄はもうすぐ。

崖崩れ防止のためか、護岸工事がされています。

道を川が横切っていますね。

この先からは車が入れる未舗装路に。

ダムのところでもう一度橋を渡ると高雄に到着です。

車が見えてきました。

この地図の一番左、清滝橋付近です。

川床料理のお店がありました。さっきの車はここのお客さんだったようです。

風情のある吊り橋。

ここまで来ると公衆トイレがあります。

旅館の倉庫のようですが、苔むしてなんとも風情があります。

こんな洗い場もぐっときますね。

旅館や喫茶店、売店などがあります。お値段もお手頃。なお、高雄の神護寺への参道にも食堂があるので、お弁当がなくてもここまでのコースは十分歩けます。

装備としては実質片道1時間のコースため、多少の飲み物とスニーカー程度の運動靴があれば基本的に問題はありません。川沿いで岩の上を歩く事もあるため、革靴など滑りやすい靴は避けましょう。

また急な天候の変化の可能性がある予報の場合、レインウェアはあった方がいいでしょう。ウィンドブレーカーのように防寒着と併用できるものがおすすめです。

後編では高雄の寺社仏閣の様子をお届けします。

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