【後編】京都の奥座敷「高雄」を大混雑の紅葉シーズンでも快適に訪問できる裏技

前編では嵐山から清滝を経由して高雄までの道のりを案内してみました。後編では高雄のお寺を巡ってみます。詳細は以下から。


清滝川を遡って高雄に到着すると、最初に現われるのが神護寺です。ここは9世紀頃に伝教大師最澄や弘法大師空海が入山した寺という極めて古く、由緒正しい寺院。

そしてこれに留まらず、国宝第2号である薬師如来像や、教科書で誰もが見たことのある源頼朝像のあるお寺でもあります。人気にならないわけがないのをご理解いただけたでしょうか。

ですがそんな神護寺に詣でるには、ご覧の400段の石段を登り切らなければなりません。

早速登ってみますが、古いためか段差にばらつきがあったり滑りやすいところもあるので注意が必要です。

とはいえ1時間歩いてウォームアップした身体にとってはまあまあの登りといったところ。

この辺りも紅葉が多いですね。

最初の折り返し地点。ここに2件の茶屋があります。

手前が高雄茶屋。

そして奥が硯石亭。いずれもうどんやそば、丼ものに湯豆腐といった食事から、抹茶やぜんざい、みたらし団子のような軽食、コーヒーに抹茶、冷やしあめなどのドリンクを提供してくれます。

天気が良ければこんな感じで紅葉を見ながらひと休みできてしまいます。ここで食べるつもりでいてもよさそうですが、ハイシーズンは混みそうなので到着時間を逆算しておいた方がいいかもしれません。

茶屋を越えてもう一度折り返すと山門が見えてきます。もう一息。

この辺りは結構階段が急です。覆い被さるような紅葉が見事。

山門と紅葉。11月中盤以降に色付いたら見事なこと間違いなしです。

拝観料大人600円を支払って境内へ。かなり広々としており、色付き始めている木も。

和気公霊廟。ここはもう少し。

こちらは明王堂。

五大堂と毘沙門堂。なかなか綺麗です。

厄落としのかわらけ投げをしに行ってみます。

道すがらの山深い感じも素敵ですね。

こちらにはかわらけの売店の他に休憩所があり、軽食やお抹茶なども楽しめます。

これが厄除けの「かわらけ」。いわゆる「瓦」ですね。3つひと組で200円になります。

これを目の前の断崖から大遠投して厄を落とします。投げ方は自由ですが、いわゆる「水切り」の要領で投げるとうまく飛ぶ気がします。あくまで筆者の感想ですが…。

投げる先はさっき歩いてきた清滝川方面です。そういえば白っぽい謎の欠片がいくつかあった気がしますが、これだったんですね。

苔むしたお庭と紅葉。きっと晩秋には敷き紅葉が見れることでしょう。

苔のディティールにぐっときます。

地蔵堂付近。綺麗な紅葉を探して歩くのも紅葉狩りの醍醐味のひとつですね。

そして国宝の薬師如来像のある金堂へ。ここは神護寺でも紅葉が最も美しいとされるポイントのひとつ。

上からの絵面も素敵ですね。

この金堂は昭和10年に建てられたもの。とはいえ既に風格すら漂っています。

こちらは鐘楼。こちらの銅鐘も国宝ですが、見ることはできません。

ということで神護寺を見終えましたが、高雄橋を渡ってもう少し散策してみることに。

清滝川沿いには紅葉が植わっていますね。人家もなくひっそり。

少し先に西明寺というお寺があるので行ってみることにしました。弘法大師空海の弟子、智泉が神護寺の別院として開創したのが始まりとのこと。

おや、朱塗りの橋が見えてきました。

どうやらここのようです。この指月橋の上から見る紅葉がまず素敵でした。こちらは拝観料大人500円です。

入ってすぐに苔むした灯籠と清滝川。

こちらの石段は短いのでご安心を。

山門前の巨大な杉の木と紅葉。そして並ぶ灯籠が印象的です。

神護寺と違い、人は少なくひっそりしています。これはかなりのポイント。

境内に入りました。まだ色付き始めですが、紅葉の枝振りが見事です。

加えて苔むしたお庭がまた格別でした。

こちらではお抹茶をいただくこともできます。

神護寺に比べてこじんまりとしていますが、お庭の風情もよく、何より人が少ないため、ゆっくり時間を過ごせます。


なお高雄でもうひとつの有名寺院であり、世界遺産にも登録されている高山寺は現在2018年の台風21号による被害のため、国宝の「石水院」と茶室「遺香庵」以外は拝観できません

2020年3月頃に完全復旧を予定しており、クラウドファンディングも行われていますが現時点で目標額の25%に留まっています。

支援のために訪れてみてもいいですし、クラウドファンディングに協力して復旧してからゆっくり訪れてもよさそうです。

ということで、高雄は紅葉はもちろんそれぞれのお寺の魅力からも愛されている事がよく分かります。今回紹介したルートは高雄はもちろん、そこまでの清滝川のトレッキングでも紅葉を楽しめる他、帰りがけには嵐山の紅葉まで楽しめるという欲張りコース。

嵐山~清滝間を歩き、神護寺の石段を上り下りすることを考えたとしても、歩いているのはせいぜい4時間程度です。

怒濤の人混みにまみれ、バスにぎゅうぎゅう詰めになりつつ渋滞の中で立ち往生する事を考えれば、ちょっと変わった京都の紅葉体験ができるのではないでしょうか。

そうそう、「さすがに疲れたよ!」という人のためには嵐電嵐山駅には足湯(有料)があり、渡月橋を渡った阪急嵐山駅近くには温泉の「風風の湯」もあるので、そちらで疲れを癒やすこともできます。

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