空気が悪いところにいるのは何とも気の滅入るものですが、単なる気のせいではなくメンタルヘルスに影響が及ぶ事が分かりました。詳細は以下から。
日本では「四日市ぜんそく」のような大気汚染を原因とした存在は以前から知られており、大きな社会問題になっていたことを学生時代にも学んでいます。
ですが、大気汚染が引き起こすのが肺や気管支などの汚染物質そのものから起こる病気に留まらないことが分かってきています。
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンとキングス・カレッジ・ロンドンの研究者らが新たにジャーナル「Environmental Health Perspectives」に発表したメタ分析によると、大気汚染がメンタルヘルスに「著しい損害」を与えています。
研究者らは16の国からデータを集め、大気汚染とうつ病、不安症、双極性障害、精神病、自殺といったメンタルヘルスの表象の関係を分析しました。
その結果、研究者らはPM2.5と称される大気中の微粒子が長期間にわたって1立方メートル辺り10μgを超えた場合にうつ病のリスクが10%増加することを発見しました。同様に不安症のリスクの上昇も見られています。
また、より大きな粒子であるPM10と称される粗粒子(ホコリや煙など)を吸い込み続けると短期間でも自殺リスクが上昇します。1立方メートル辺り10μgを超えたPM10を3日間以上吸い込み続けていると、10μgごとに自殺リスクは2%ずつ上がっていくということに。
なお、現時点ではこの関連は明確な因果関係ではなく、あくまで相関関係に留まっているとのこと。より詳細な関連を調べるにはさらなる研究が必要です。
なおtenki.jpで12月22日13時現在の東京都のPM2.5の数値を見てみると、千代田区神田司町で22μg/m3、渋谷区宇田川町で18μg/m3などとなっており、最も高いのは環七通り亀有の32μg/m3。研究に寄ればメンタルヘルスに悪影響が出ていてもおかしくない数値です。
このほかにも「PM2.5まとめ[全国のPM2.5情報・予報サイト]」では全国のPM2.5の濃度をチェックすることが可能。
日本では日本海側を中心に冬の時期にうつ病や自殺が増えるとされてきましたが、単に寒さや悪天候だけではなく、PM2.5の影響も少なからずあるのかもしれません。
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