40日のマインドフルネス瞑想で脳の構造が変化し、生活の質が改善されたことが判明


外に出られないロックダウンに備え、マインドフルネス瞑想を今から始めてみるのもいいかもしれません。詳細は以下から。

人類の精神史上で極めて大きな役割を果たしてきた瞑想(メディテーション)。抽象概念の発生や宗教の起源、芸術的な霊感などにも大きな影響を与えてきた瞑想。

なかでもシリコンバレーで有名になったマインドフルネス瞑想は日本でもNHKが紹介し、スマホ用アプリ(iOSAndroid)も出るほどメジャーになっています。

さて、この瞑想が脳の物理的な構造までも変化させることは以前BUZZAP!でもお伝えしましたが、わずか40日間の瞑想の実践でその効果が表れることが示されました。

ジャーナルScientific Reportsに掲載された研究では、14人の大学生に40日間のマインドフルネスを中心とした瞑想のトレーニングコースを受講してもらっています。

被験者らはいずれも人生で瞑想のトレーニングを受けたことがなく、これによって研究者らは脳の各部位の機能や構造の変化を評価することが可能となっています。

加えて自己評価式のアンケートがトレーニングの前後に行われ、瞑想による気持ちや考え方の違いもモニターしています。

そして、40日のマインドフルネス瞑想やイメージング技術のトレーニングを終えた時、被験者らの楔前部と後帯状皮質に変容が見られたことが分かりました。脳のこの2つの部位は多様なレベルの自己認識と意識にかかわりがあると考えられています。

加えてこれらの部位は、脳が意識的に活動していないときに働く「脳のアイドリング」とも呼ばれる基底活動「デフォルトモードネットワーク」でも中心的な役割を担っています。

この回路は脳の広範な部位をまたいでおり、脳の使うエネルギーのきわめて大きな割合を占める重要なはたらきで、自己の感情の知覚や他者の考えや感情の理解、道徳的推論といった個性の基本的な様相に深くかかわっています。

こうした神経学的な変化に加え、被験者らの自己評価式アンケートはうつや不安といった傾向が顕著に減少したことを示しており、これらは前述の脳の部位の広範な構造的変化と特筆すべき相関関係を見せています。

なお、この実験は規模が14人と小さいこと、対照実験のグループが存在していないことから正確さには限界が生じます。

ただし、それでも40日という短期間のマインドフルネス瞑想の実践で脳に構造的、機能的な変化が生じ、うつや不安といった傾向を和らげて生活の質を改善する効果が見られたことは大きな成果と言えます。

実際に瞑想を実践している人からすれば、精神的な変化は少なからず実感できるもの。そうした変化がきわめて短期間に脳の構造をもとに起こっていることが明らかになったということができそうです。

今後長期間外出ができない状況が日本にもやってくるかもしれません。そんな時、持て余した暇で瞑想してみると大きな違いを実感できそうです。

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