携帯料金値下げに政府介入へ、「大幅な引き下げの余地がある」と菅官房長官が再びブチ上げ


もういっそ全社国営化してはいかかでしょうか。詳細は以下から。

日本経済新聞社の報道によると、菅義偉官房長官は本日午後に行われた記者会見で、携帯電話料金について「大幅な引き下げの余地がある」と述べたそうです。

これは料金水準が諸外国と比べて依然として高い水準にあり、大手3社の利益率も20%と高止まりしていることを受けたもの。

さらに大手3社がシェア9割の寡占状態であることを指摘した上で、「引き続き競争の促進を通じて、利用者にとってわかりやすく納得のいく料金サービスを速やかに実現することができるように、政府としてしっかり取り組んでいきたい」と述べています。

携帯電話料金引き下げを巡る議論は2015年に遡り、その時に挙げられていたのが「ユーザー間の行きすぎた不公平性(機種変更とMNPユーザーの差など)の是正」という話でした。

しかしこの話も、もともと「日本の携帯電話料金は高い」「家庭の支出における携帯電話代の割合を下げる」と首相が息巻いたものの、検証すると日本の携帯電話料金は諸外国と比較して高くないことが分かり、振り上げた拳を下ろす先として用意されたもの。

実際に「不公平感の是正」を掲げてMNP割引を規制したところ、負担増を強いられた利用者や大幅な売り上げ減で職を失った携帯電話販売店スタッフなどからの怒りの声が寄せられました。

その後も携帯電話各社への規制はさらに強化され、キャリア間の移動を促進すべく「2年縛りの廃止」、通信料を原資とした端末値引きを阻止すべく「分離プラン義務付け」、「端末値引きは2万円まで」などの施策が導入。

スマホ本体が高額化する中、分離プラン義務づけと値引き規制によって、端末の在庫処分的な値引きもできなくなったため、量販店の携帯電話コーナーは5Gサービスの開始を前に見事冷え切ってしまいました。

また、政府主導で行われた規制の中で最も意味が分からないのがキャリア間の移動を促すためのものとみられる「長期割引の規制」。

もともと「一つの会社を長く契約する機種変更ユーザーがMNPユーザーよりも損」という話だったはずが「たとえ同じ会社を20年契約していようが、とにかく乗り換えることが前提(ただし端末割引はなし)」かのような、極めていびつな構図になってしまいました。

中国と対立を深めるアメリカに追従してHuawei製品を排除したことで、今までより圧倒的に緻密なエリア整備が求められる5Gインフラの整備コストが跳ね上がるなど、さまざまなとばっちりを食らっている感の強い携帯各社。

大手のシェアが高止まりしている背景には、総務省の規制緩和でMVNO事業者が1000近くまで膨れ上がり、超過当競争状態に陥ったことなど、政府の取り組みに問題があることも忘れてはいけません。

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