モバイルバッテリーや充電器でおなじみのAnkerが新規上場を果たしました。日本法人も刷新され、新たな体制でスタートします。詳細は以下から。
アンカー・ジャパンのプレスリリースによると、Ankerグループの本社Anker Innovationsが2020年8月24日、深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板 (ChiNext) 」において、新方式のIPO登録制導入後初の上場企業の1つとして新規上場を果たしたそうです。
今回の株式上場に際し、Anker Innovationは4100万株を新たに発行し、約420億円の資金を調達。コア技術や製品、ソフトウェアの研究開発や、その中心となる施設の増強などに投資するとしています。
また、アンカー・ジャパンの取締役COOに猿渡歩氏が就任。日本市場でのさらなる飛躍に向けコーポレートロゴが刷新されたほか、モバイルプロジェクター「Nebula」を第4の事業ブランドとして独立。
モバイル充電器などの「Anker」、Bluetoothスピーカーや完全ワイヤレスイヤホンなどの「Soundcore」、ロボット掃除機などの「eufy」、モバイルプロジェクターの「NEBULA」で構成されます。
アンカー・ジャパンによる事業説明会。中国の株式上場制度改革が適用された第1弾の企業群にAnkerが加わりました。
Ankerの時価総額、実に9132億円
世界6拠点、社員数は2000人です。
スマホやパソコンなどに近い製品から扱う分野を広げていったAnker。「ハードウェアの栄枯盛衰」にどう対応していくかは課題でしたが……
2011年には売り上げの100パーセントを占めていた充電製品以外の収益が大きく拡大。スマート家電やプロジェクター、オーディオ機器が43%を占めるようになりました。
そこで今回、プロジェクター「NEBULA」部門が第4の柱として独立。新型コロナ流行で「おうち時間」が見直されたことが後押ししているようです。
7300万人以上に愛されてきたAnker。1億人も射程に入っています。
新型コロナ禍でも前年25%成長。純利益も伸びを見せており、さらなる画期的な製品も期待できそうです。
アンカー・ジャパンも経営体制およびコーポレートロゴを刷新します。
アンカー・ジャパン新取締役COOに就任した猿渡歩氏による日本事業の解説。
グローバルを上回る、実に1400%の成長を遂げています。
今後は製品戦略とチャネル戦略の双方に注力
Ankerはあらゆる分野で高いシェアを獲得しています。
オンラインだけでなく、オフラインでも売り上げを伸ばしています。今や家電量販店どころか、ドン・キホーテなどでも見かけるレベルです。
今後目指すのは研究開発への投資。GaN(窒化ガリウム)を用いた製品はもちろん、販売拠点も拡充。9月には梅田ロフトに新たな直営店を開設します。
◆質疑応答
フリー土井:
プレスリリースを拝見しての事前質問です。現在の研究開発体制について教えてください。
Anker:
2000人のうち半数程度が研究開発スタッフ
Linkman/Gadgetouch リンクマン:
今後日本を含め他の市場でも上場ということも視野に入っているのでしょうか?
Anker:
現時点では予定はありません
ブロガー 田中:
Nebulaの事業ブランド独立に伴い、Anker直営店・家電量販店や他チャネルでの販売強化など予定されていらっしゃいましたらご説明をお願いいたします
Anker:
直営店や量販店など、オンライン以外での触れるよう拡大していく
日本流通産業新聞 星野:
2019年12月期におけるアンカージャパンのオフライン売り上げとオンライン売り上げの比率を教えてください。オンライン売り上げのうち、最も大きな販路(アマゾン?)の売り上げは何パーセント程度ですか
Anker:
だいたい7~8割がオンラインで、そのうち9割近くがAmazon。
フリーエディター 齋藤:
日本人は株式の購入はできるのでしょうか?
Anker:
一部の証券会社では取り扱いがあると聞いているので、可能性はゼロではない
フリー大塚:
なぜアンカーほどの大規模な会社が、NYや香港証券取引所、また中国国内の深セン証券取引所や上海証券取引所ではなく、新興企業向け市場「創業板 (ChiNext) 」に上場したのでしょうか?本日から値幅制限が20%に拡大されるようですが。
Anker:
新規上場した株式には値幅制限は5日間に限っては適用されません。ChiNextは新興企業などへの優遇策などがあるため、選択したという経緯になります。
日本流通産業新聞 星野:
コロナ下での売り上げが好調ということですが、理由を教えてください。
Anker:
直営店が閉まったり部材供給やモバイルバッテリーなど外で使う製品の売り上げに影響があったものの、プロジェクターなど「家で使うもの」の売り上げが伸びました。
電波新聞 山上:
20年度における日本法人の売上げ見通しを教えてください。
Anker:
具体的な数字は申し上げられないが、足元を見ると数十パーセント以上の伸長が見られます。
アイティメディア 井上:
コーポレートロゴの変更は、今回の上場を機にグローバルで行ったものなのでしょうか。
Anker:
日本市場のみ遅れていたものが上場を機に刷新されました。
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