「新型コロナウイルスにプラズマクラスター30秒照射で90%以上減少」とシャープが発表、ただし……


新型コロナウイルスにはプラズマクラスターが効く!」と果たして言えるのかどうか、悩ましいところです。詳細は以下から。

まず見てもらいたいのが、先日シャープが行った発表。長崎大学感染症共同研究拠点 安田二朗教授(兼 熱帯医学研究所教授)、同研究拠点 南保明日香教授(日本ウイルス学会理事)、および島根大学医学部 吉山裕規教授(日本ウイルス学会理事)という一流研究者たちと「プラズマクラスターが新型コロナウイルスに効くか」を実験したそうです。

試験装置では空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」にプラズマクラスターイオンを約30秒照射。

感染価(感染性を持つウイルス粒子の数)が90%以上減少することが世界で初めて実証されました。

この結果だけ聞くと、今すぐにでも空気清浄機やエアコン、冷蔵庫などすべてをプラズマクラスター技術採用のシャープ製に置き換えようかという気持ちになりますが、問題は今回の実験環境。

わずか3リットルの試験空間中に、シャープの家電では最大濃度となる「プラズマクラスターNEXT(約5万個/cm3)」製品200台分のイオンを照射した結果であるため、実際の利用シーンでどこまで効果があるのか疑問と言わざるを得ません。

ちなみにプラズマクラスターは放電電極に電圧をかけてプラズマ放電することで、空気中の水と酸素から水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンを発生させる技術。空気中に浮遊するウイルスなどの表面でイオンが結合して「OHラジカル」に変化し、ウイルスのたんぱく質の表面から水素原子(H)を素早く奪い取ることで、作用を抑制するとされています。

2004年にコロナウイルス科の「ネココロナウイルス」、翌2005年には「新型コロナウイルス」と姉妹関係にある「SARSコロナウイルス(SARS-CoV)」に対する効果を実証したプラズマクラスター技術。今回新たに、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」に対する効果が実証されました。

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