天下一品「味噌ラーメン」を総本店でさっそく食らってきました

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いよいよ発売となった京都ラーメンの老舗「天下一品」の放つ新定番「味噌ラーメン」。

いったいなぜ今味噌ラーメンなのか。天一は何を思いこの味を投入したのか、それを知るべく京都北白川の総本店を訪れて食してきました。詳細は以下から。

BUZZAP!取材班が総本店を訪れたのは発売初日の遅めの時間。夕食のピークタイムは過ぎており、見た感じ平常運行です。味噌ラーメンを求めて行列といった感じではありません。

というか「味噌ラーメンはじめました」的な看板もポスターも何もありません。あれ、本当に今日からだったっけ？と不安になるレベル。

お店の人に恐る恐る尋ねてみると、普通に「やってますよ」とのこと（編集部注：フランチャイズ店では順次発売ということで、まだ提供を開始していない店舗もあるとのことです）。ちょっと肩透かしを食らった気になりましたが、着席してそのまま味噌ラーメンをオーダー。ようやくメニュー表にはさみ込まれた味噌ラーメンを発見。

さすがに早いオペレーションで着丼です。「北海道の『赤味噌』と愛知県の『豆味噌』をブレンドした濃厚味噌に炒めた香味野菜の風味を効かせ、天下一品こだわりのスープと融合させた商品」とされていましたが、やはり現物を見てもシンプルなモヤシ、ネギ、ひき肉というトッピング。自信が伺えますね。

香ってみてもそこまで強い味噌感はなく、見た目に感じる「こってり」的な香りもありません。

麺はいわゆる天一の中細麺的な感じ。卵麺でもちぢれ麺でもありません。さて、お味はいかがでしょうか。

食べてみると、思ったよりもしっかりと「美味しい味噌ラーメン」です。スープは濃厚なのですが、あくまで「こってり」ではなく味噌のパンチが前面に出てきます。美味い。ちゃんと美味いのです。

ただしあくまで主役は味噌。天一らしい「こってり」に味噌の味が乗っているのをイメージしてきた人には少なからず想像と違うことになりそうですが、味噌ラーメンを食べたい人にはしっかり美味しいと感じる味です。ここに寄せてくるか天一！と思わされます。

なお、味変にはなんといっても「辛子味噌」でしょう。個人的には「こってり」に入れるよりも味が調和して引き立ちます。ちょっと担々麺っぽい感触のピリ辛になるので、後半にぶっ込んでみることをお勧めします。

ということで完食、完飲。「こってり」のような胃袋に重く直撃する食後感ではありません。ある意味オルタナティブとしての新定番という位置づけなのではないか、というのが感想です。

これまで「こってり」ほど濃いのは無理という人のためには「あっさり」や「屋台の味」がありましたが、こってり度を減らすのではなく味の方向性の幅を広げたという意味では非常に面白い試みと言えそうです。

ただし天一に足を運ぶときに「よ～し、じゃあ今日はいっちょう味噌ラーメンとしゃれこむか」という気分にどれだけの人がなるのかはまだまだ未知数。今後時間を掛けて馴染んでいくのでしょうか。

なお、食べている途中にも次々とお客さんが入ってきていたのですが、非常に興味深いことに誰も彼もが「こってり」を注文していました。仕事終わりのグループも、若い学生さんも、カップルも、ラヲタ風の人も。全然味噌ラーメンのオーダーが聞こえません。

味噌ラーメンの初日なのだから、総本店に来るような人はみんな味噌ラーメンを試すのではないか。そんな風に思っていましたが、そういう人たちは誰も彼もまったくブレることなく「こってり」だったのです。

店頭で宣伝すらしていないのだから当然といえば当然なのかもしれません。ネット上では話題になりつつも、お店的にもお客さん的にもいつもと変わらぬ日常の中でさらりと始まっていく感じ、なんとも古式ゆかしい京都らしさを感じます。大騒ぎしてるのはネット絡みの皆様だけなのでは…じっと手を見てしまいまいした。

以前聞いた話では、生粋の京都人は新しい店ができると開店1年後くらいに「最近お店始めはったって聞きましたわ」などと言いながら来店してくるということ。

それにならうなら、数か月後に「そういえば最近味噌ラーメン出し始めたらしいですなあ」などと言いつつ、しれっと注文し始めるのかもしれません。