「裸のつきあい」がボディイメージを改善し、自分に肯定的になれるという研究報告


日本の銭湯や温泉ではおなじみの「裸のつきあい」ですが、自分の身体に対するイメージを改善させる効果があることが分かりました。詳細は以下から。

人間は服を着る猿とでも言うべき生き物ですが、同時に脱ぎたがる生き物でもあります時と場合によってはそれは犯罪扱いもされてしまいますが、実は裸で他人と触れ合うことには大きなメリットがあることが示されました。

これはロンドンのゴールドスミス・カレッジのKeon West社会学准教授がジャーナル「The Journal of Sex Research」に発表したもの。

研究によると、他人と裸のつきあいをすることによって自分の身体に対する社会的不安が減少し、ボディイメージを改善させることができるとのこと。ほかならぬ自分の身体に対して肯定的でいられることは当然精神的な安定とも密接に関わります。

研究では「被験者の一部は性的ではなく、安全な形で全裸になることを求められる場合があります」とした上でオンライン広告を掲載し、ロンドンに住む27人の男性と24人の女性を被験者として集めました。

被験者らはバーを訪れ、2つの似通った大きさとレイアウトの部屋にランダムに振り分けられ、自分の身体に対する評価を行います。

対照実験のグループは「他の被験者と一緒にゆっくり楽しんでください」と指示を出され、もうひとつのグループは同じ指示を「ただし全裸で」との条件付きで出されます。

どちらのグループも45分間、他の被験者らとの相互交流を楽しんだ後、多様な心理学的な調査を受けますが、その中には2度目の身体への評価も含まれていました。

その結果、全裸になったグループは2度目の身体への評価についてポジティブなイメージを持つようになっていましたが、着衣のままだった対照実験グループでは1度目と2度目の評価で変化は見られませんでした。

West准教授は「他人のいる環境で(ただし安全であることが条件)裸になることはボディイメージを改善させる」と指摘。さらに、この改善は他人に自分のボディイメージをネガティブに評価されるという不安が軽減したからであると指摘します。

「大胆な人ほど裸になるわけではない。この実験が示したのは、自分の身体に対してよりポジティブになろうとして人は裸になるのだ」とWest准教授は述べています。

日本ではまだヌーディストビーチのような文化への理解は低く、裸は多くの場合隠すべきもの、そして性的なものと見られがち。ですが、あくまで自分を解放するために裸になる文化は欧米を中心に広まってきています。

とはいえ銭湯や温泉などのいわゆる公衆浴場で、他人の前で全裸になるのを当たり前と感じるのもまた日本の文化。もっと自分の身体に、ひいては自分に自信を持てるように、私たちはもっと当たり前に裸になっていったほうがよいのかもしれません。

(Photo by alobos life, Space Butterfly

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