ビートルズと、彼らの愛した「ミニ(MINI)」の幸福な写真たち



活動から半世紀以上が経っても誰もが知り、多くの人に愛されるビートルズ。そんな彼らが愛した自動車は現代日本でも人気の「ミニ」でした。詳細は以下から。

ミニ(MINI)」は1959年にイギリスのブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が製造・販売した小型乗用車。BMWに所有が移るまで41年間で1度もモデルチェンジしなかったその秀逸なデザインには、現在でも多くのファンがいます。

60年代、そんなミニに多くの人がほれ込みましたが、そんな中にあのビートルズもいました。彼らは4人全員がそれぞれのミニを所有していたのです。

しかも彼らが乗っていたのは普通のミニではありませんでした。いずれもが自動車の改造を手掛けていたハロルド・ラドフォード社による最高級のカスタマイズ版だったのです。それぞれ見ていきましょう。

ジョン・レノンの「MINI Reg LGF 696D」はバンパーにシート、ホイールも黒いミニ。65年3月に完成したものの、この年はビートルズがほぼアメリカツアーで不在だったため納車は66年になってからでした。



ポール・マッカートニーの「MINI Cooper S, Reg GGJ 382C」は1965年、カリフォルニア州のアストンマーチンでメタリックなセージグリーンに塗装され、リアライトもここで設置されました。




このミニには黒革の内装に室内灯、サーフルールに珍しかったハロゲンヘッドライトにフォグランプなどが備え付けられています。96年にアメリカで売られ、現在はフロリダ州のサラソタ・クラシックカーミュージアムでジョンのメルセデスと並んで展示されています。




リンゴ・スターの「MINI. Reg LLO 836D」は1966年に登録されたもので、最初はビートルズのマネージャーとして知られるブライアン・エプスタインが購入し、のちにリンゴのものとなりました。



このミニの特徴は後部がハッチバック式になっており、これはリンゴのドラムセットを運ぶためと言われています。現在はリバプールのビートルズ・ミュージアムに展示されています。


そして圧巻なのがジョージ・ハリスンの「Austin Cooper S, Reg LGF 695D」。ビートルズの作った映画「マジカル・ミステリー・ツアー」にも登場する1台です。


1965年にメタリックブラックの塗装で作成されたこのミニは、1967年に「Tantrum Art」という本を参考にガチガチのサイケデリックなデコレーションを施されます。



チベット密教的な紋様やモチーフに曼荼羅、ルーフには「踊るシヴァ神」の像が据え付けられているのが確認いただけるでしょうか。



ジョージはこの時期に自宅の壁も同じようなサイケデリックな模様に塗り替えています。


なお、このミニにはなんともサイケデリックなエピソードも。1965年にジョンと当時の妻シンシア、ジョージと妻のパティが歯科医の友人ジョン・ライリーの家で食後のコーヒーにそれぞれ人生初となるLSD入りの角砂糖を盛られたのですが、その帰り道にジョージが恐る恐るめちゃくちゃゆっくり運転したのがこのミニなのです。

雑誌「Rolling Stone」のYouTube公式アカウントは当時の体験について語るジョンの音声をアーカイブしており、アニメ動画も作っています。


Rolling Stone」の記事によると、この時のLSD体験が翌年の革新的アルバム「リボルバー」を生むきっかけとなったとのこと。

また、この時がジョンの最初で最後のLSD体験だったという話もありますが、真偽のほどは定かではありません。

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