「週末をバケーションのように過ごす」と幸福度が上がると判明、いつもどおりのゴロ寝は効果薄


1週間の仕事を終えた週末、あなたはどのように過ごしているでしょうか。疲れたからごろ寝。溜まった家事をなんとかこなす。そして気が付けばもう週明け…。そんな人も少なくないでしょう。

ですが、週末をまるでバケーションであるかのように楽しむことで幸福度が上がり、週明けの仕事にも元気に戻っていけるという研究結果が示されています。そんな元気も余裕もねえよという人もいるかと思いますが、実際の行動以上に「心構え」のお話です。詳細は以下から。

UCLA アンダーソン・スクール・オブ・マネージメントのColin Westさんらの研究チームはジャーナルSocial Psychological and Personality Science週末をバケーションとして過ごすことの重要性に関する研究を発表しました。

もともと西洋社会ではバケーションは極めて重要なものとされており、健康や幸福、人生の満足といった大きな利益を人にもたらすと考えられています。

研究では、実際の長いバケーションではなくとも週末の2日間をまるでバケーションのようにより丁寧にその時間に向き合って楽しむことで、週明けの幸福度がどのように変わってくるかを調べました。最初の実験では441人のフルタイム勤務の労働者に対し、金曜日から月曜日までのいつもどおりの週末前後について調査を実施。

金曜日に被験者らは幸福度についての基準調査に記入し、その後2つのグループに分けられます。ひとつのグループは「この週末をバケーションのように過ごして」という指示を受け、もう一つのグループは「いつもどおりの週末を過ごして」と指示されます。

月曜日の終業後に被験者らは再び幸福度について査定を受けます。加えて週末に力を入れた物事について、7つの調査事項にも記入してもらいます。

その結果、前者のグループではよりポジティブな反応が増え、月曜日に仕事に戻った際の満足度も後者のグループよりも大きく勝っていました。また前者は週末に力を入れたことの報告も多く、週末の時間に関心を集中し、満喫していたことが分かりました。

ふたつ目の実験では、最初の実験と同じようにグループに分かれて週末を過ごしてもらった後に、週末に実際に何にどれくらい時間を使ったかの詳細を記入してもらいました。

すると、週末をバケーションのように過ごしたグループでは家事のような「やりたくないこと」に掛けた時間が短く、よりその場その場の時間を大切にして楽しんでいたことが浮かび上がりました。

ここで興味深いことに、週末に何に時間を費やしたかでは月曜日の幸福度は変化せず、むしろその場その場にどれほど注意を向けていたかが大きく関わっていました。

つまり、大切なのは週末にバケーションのような用事を無理矢理詰め込むことではなく、その場その場をしっかり丁寧に味わって楽しむというマインドセットだったということになります。

実際には家事をはじめ週末にやるべきことを放り出すわけにはいきませんし、家族がいれば自分ひとりの都合だけでは動けません。

ですが、ルーチンに追われるようにダラダラといやいやこなしたり、疲れを理由に無為にゴロゴロ寝ているよりは、思い切ってその場その場を楽しみつつ動いた方が、週明けにはよりリフレッシュできているということになります。

新型コロナで外出もしにくい状況ですが、気の持ちようからでも変えてみると今度の月曜日、いろいろ違ってくるかもしれません。

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