ラーメンがタバコから「刑務所内通貨」の地位を奪っていた


日本人の多くが心から愛するラーメン。行列のできる超名店の限定メニューから自宅やキャンプで食べるお手軽なインスタントラーメンまで幅広く食べられています。

そんなラーメンが塀の中では全く違った価値を持っていました。詳細は以下から。

タバコと引き換えに必要な物資や情報を調達する。映画でそんなシーンを見たことはないでしょうか。実はそんな「刑務所内通貨」に大変動が起こっていました。

現在アメリカ合衆国の刑務所でそうした通貨の地位を占めるようになったのが安価な袋状のインスタントラーメンです。刑務所内では現金を所有できないため、これまでもタバコや切手が通貨として使われていました。

ですが切手は高く、タバコはこのご時世で禁止されているケースが多くなっており、その地位を占めたのがラーメンというわけです。刑務所内通貨の条件としては、持ちがよく、携帯でき、分割可能で、標準化されていることが必要です。

ラーメンはそれらをクリアし、1袋が約65円という安さな上に、食料として食べられるという圧倒的な利点を持っていました。

2016年の研究では、刑務所内の売店でスウェットシャツが約1200円で販売されていたところ、ラーメンでは2袋と交換されていました。これは市場価格の9倍以上になった計算です。

ラーメンはこのように衣料や衛生用品、洗濯や布団の掃除に口述筆記やイラストなどのサービスにも使える他、ギャンブルのチップになったりドラッグと取引することもできるとのこと。まさに通貨です。

また、ラーメンが刑務所内通貨の地位を確立するにあたっては、刑務所の食事が乏しくなっているという事情があります。

230万人の囚人を抱えるアメリカ合衆国では刑務所の運営費削減が急務で、その中で食費が削られてきました。日々空腹を抱える囚人にとっては通貨であり食料でもあるラーメンの価値は当然大きなものとなります。

アメリカ合衆国の刑務所内という特殊な社会ではありますが、私たちになじみのラーメンが食べられる通貨として流通しているという、奇妙な状況が発生しているのはなんとも興味深いところ。

本件についてのショートドキュメンタリー映像は以下から。日本語字幕を選んで再生することができます。

Why ramen is so valuable in prison - YouTube

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