多くのクリエイティブな現場で活躍を始めたAI、今度はアニメ制作の抱える大きな問題を解決してくれることになるかもしれません。詳細は以下から。
プレスリリースによると、クリエイティブやエンタメ業界向けにAIを提供しているスタートアップのRADIUS5がアニメ用の美術背景を生成する「Anime Art Painter」をリリースしたそうです。
Anime Art Painterは、1枚の写真から4種類のアニメ調の風景画像をわずか30秒ほどで自動生成してくれるサービス。
最近のアニメによくある水彩調とベタ塗りに近い2種類を生成し、それぞれにエッジを強調するフィルタ処理をかけた、よりアニメらしい2種類の計4種類を一度に作り出します。
入力できるファイル形式はJPEG、PNG、WEBP、BMPで、出力はPNGで長辺が1920ピクセルになるよう調整されます。出力された4種類すべてダウンロードでき、ひとつを選ぶ必要はありません。
このAIが開発されたのは制作工数が逼迫し、制作2年待ちのケースもあるアニメ業界をサポートするため。加えてイラストや漫画、ウェブトゥーン、ゲーム、デザインでの使用も見込んでいます。
こちらは同人漫画家まっくす氏(@minux302)の使用例。
Anime Art Painterに関わるまっくす氏は連続ツイートで使用例やそれぞれの画像の特徴も紹介しています。
料金は月額無料のエントリープランでは写真1枚から4枚のアニメ背景を作成して480円。月額4800円のライトプランでは写真1枚の変換が実質240円となり、最高額の月額80000円のメガプランでは実質80円にまで下がります。
イラスト用に1枚だけというケースから、アニメ制作への本格導入まで幅広いプランが準備されているのは心強いところです。
なおアカウント登録すると、ウォーターマーク付きですが無料のお試しが可能。Buzzap!編集部でも試してみました。こちらは下鴨神社の糺の森。1枚ずつくっきりと特徴が分かれています。
1枚目です。
2枚目。
3枚目。
4枚目。
こちらは先日の祇園祭の長刀鉾の写真。
4枚目が秀逸でした。特に空の空気感がたまりません。
某有名ラーメン。
1枚目がガチで美味しそうなことになりました。
人間のプロが描けば数日程度の納期と数千円から数万円の費用が発生するアニメ背景。全部自分でやるのもひとつの手段ですが、AI活用の費用対効果の高さは一度試してみてもよさそうです。
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