やはり自宅にこもる時間の長かったコロナ禍で、私たちとスマホの関わり方には少なからぬ変化があったことが示されました。詳細は以下から。
◆コロナ禍でスマホ利用時間が増加
KDDI総合研究所の報道発表によると新型コロナのパンデミックがスマホ依存、ゲーム障害、ネット依存に及ぼす影響が明らかになったそうです。
2019年12月と2020年8月に全国の20歳から69歳までの男女5万1043人を対象に調査した結果、コロナ禍中では以前よりスマホの利用時間が増加し、ゲーム障害とネット依存傾向の割合が1.5倍以上増加していました。
スマホ利用時間はコロナ禍で平日には7%、休日には8%増加し、いずれも3時間を超えました。
ただしスマホ依存傾向を示す人は微減し、スマホのため予定していた仕事や勉強ができないとした人も減少。
これは外出自粛やテレワークなどでスマホの利用が増え、勉強や仕事を邪魔するものから生活のための重要な存在に変化した可能性があるとしています。
一方、スマホがないとイライラしたり怒りっぽくなる人は増加。依存傾向が減ったとしながらも、手元にスマホを常に置いておきたい人が増えている様子が浮き彫りになっています。
◆ゲーム障害とネット依存は1.5倍超に
これとは別に、コロナ禍でゲーム障害とネット依存傾向の割合が1.5倍以上に増加していることも示されました。
特にゲーム障害の中核的な症状として、より高難度のゲームや長時間のプレイを欲する「耐性」や、ゲームをプレイしていない時にイライラする「離脱症状」の増加も報告されています。
これらは新型コロナのパンデミックに伴う外出自粛や感染リスクの増加、生活への悪影響といったストレスが一因とのこと。
ゲームやネットはスマホに限らないためスマホ依存の数値とはずれがありますが、いずれもステイホーム時の強い味方であるため、少なからぬ人がのめり込んだ様子が見てとれます。
◆コロナ感染者のゲーム障害リスクは5倍以上
中でもショッキングなことに、コロナ感染者のゲーム障害になるリスクが非感染者の5.67倍であることが確認されました。
これは感染という大きなストレスの解消のためにゲームにのめり込むことで、ゲーム障害に陥るリスクが上昇したのではないかとのこと。
ゲーム障害は一過性ではなくコロナ禍後まで持続する場合もあり得るとされており、アルコール依存症などのように治療が必要となるケースも出てくるかもしれません。
コロナ禍での生活と切っても切り離せない存在のスマホ、ゲーム、ネット。情報源やエンタメとして大いに役立ってくれていますが、パンデミックのストレスの中での影響にも目を向けていく必要がありそうです。
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