新型コロナのパンデミックの間、どのSNSを主に使っていたかでメンタル面への影響が大きく違っていたことが分かりました。
しかもその理由はなかなかにエグいものでした。詳細は以下から。
ジャーナル「PLOS One」に発表された研究によると、コロナ渦中にFacebookを盛んに使っていた人は精神的にネガティブな影響を受け、ツイッターやInstagramを主に使っていた層は社会的サポートを得て人生の満足度が上がっていたとのこと。
研究を主導したAlexandra Masciantonioさんによると、コロナ禍で家族や友人とのやり取りなどのSNSの利用が世界的に急増し、日常生活に深く浸透。その中で、どのSNSをどのように使っているかで人生の満足度や精神的な健康に影響があったかを調査しました。
2020年4月に18歳から77歳のベルギー人やフランス人の793人を対象にしたオンライン調査で、被験者はFacebook、Instagram、ツイッター、TikTokの利用がロックダウン前後でどのように変化したかを問われました。またそれぞれにつき主に投稿やコメントなどの能動的な使い方をしたのか、受動的にただ見ていたのかを問われました。
加えて、それぞれのSNSから社会的サポートをどの程度得られたのか、またフレンドやフォローしている人と自分をどの程度比較してしまったかなどを質問され、最後にプラスの効果、マイナスの効果、人生の満足度について評価しました。
その結果SNS全体の利用は増加しており、特にTikTokが大きく増えていたことが判明。しかしTikTokは使い方にかかわらず、プラスにもマイナスにも働いていませんでした。
一方でFacebookは能動的に使っている人は悲しみや怒り、不安といった否定的な感情を抱きがちになり、受動的に見ていた人でも他人と比較しがちになってマイナスの影響が大きく、人生の満足度も減少しました。
Instagramを能動的に使っていた人は、社会的なサポートを得られて人生の満足度は上がったもののマイナスの影響も強く受けています。研究者らはこの理由を「SNSで他人と関わると感情が発散されるのではなく引き出されてしまう。コロナ禍ではこうした負の感情が誘引されたのではないか」としています。
そしてツイッターを能動的に使っていた人は、社会的なサポートを受けられた上に人生の満足度も上がっていました。受動的に見ていた人も他人との比較が減少し、同様にプラスの効果を得られていました。
この不思議な現象について、研究者らはプラットフォームごとの性質の違いに原因があると考えています。通常ポジティブな投稿の多いFacebookに比べ、ツイッターはよりネガティブな言葉や感情が渦巻いているとのこと。
つまり度重なる炎上やクソリプにまみれたツイッターランドに、それでも生息し続けているツイッタラーたちは「面構えが違う」というわけです。
またMasciantonioさんは「ツイッターを見ているユーザーは、タイムラインで悪いニュースを常に目にしているため、自分をより良い状況よりもより悪い状況と比較する傾向があるのではないか」と指摘します。
感染した人や失職した人、忙殺される医療関係者らのツイートやニュースに触れ続け、それらと自分を比較する中で、少なからず「自分はまだマシ」と感じた可能性もありそうです。
いずれにせよ、コロナ禍でもツイッターをやっていれば人生に満足できる、といった単純な話ではないことに注意が必要です。
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