いわゆる「バ美肉おじさん」の存在理由の一端が明らかになっています。詳細は以下から。
ジャーナル「Quarterly Journal of Experimental Psychology」に掲載された研究によると、仮想現実の中で異性のアバターを使う時、触られた時の感じ方大きく変化することが分かりました。
例えば現実世界の男性が女性のアバターを使用すると、男性アバターからのタッチを心地よく感じるようになります。
研究では、最近メタバースなどで話題の仮想現実の中で、異性のアバターを身につけている時に触られる感触がどう変化するのかを調査。実験には異性愛者の男女21人ずつが参加し、同性と異性のアバターを使用した際の行動的・生理的な変化を試験しました。
被験者らは寝椅子に横たわってヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を身につけ、男女それぞれの一人称視点で足、膝、腰、胸、頭、手を愛撫されます。この際実際の肉体には触れられず、あくまで仮想現実の中だけでなでられます。
結果として、男性も女性も異性のアバターからの触られることを好ましいと感じましたが、異性のアバターを使っている時に感じ方が変化していました。
女性は男性のアバターを使っている時、女性アバターからのデリケートな部位へのタッチをより気持ちよくエロティックであると感じ、男性も女性のアバターを使っている時、男性アバターからのデリケートな部位へのタッチをより気持ちよくエロティックであると感じていました。
こうした好みの変化は身体を所有しているという感覚と関係しており、特に男性に強いことが分かりました。こうした変化は皮膚電気反応や心拍数などの数値でも確認されています。
研究を主導したローマ・ラ・サピエンツァ大学のManuel Melloさんは、異性のアバターを使う際の身体的な錯覚は男性に起こりやすかったと指摘。
男性は異性アバターの中で、身体を所有している感覚や快適さ、一体感を女性よりも強く感じる結果となり、男性アバターに愛撫されている時にも「実際に触れられている」と錯覚する傾向が高くなっていました。
「ソーシャルVR国勢調査2021」では男女ともに女性アバターの使用割合が3/4を超えていることが報告されていますが、男性が異性である女性アバターを使いがちな理由はこの辺りに関係している可能性がありそうです。
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