ドコモが先日通信品質の低下を報告したように、ユーザーの通信量が増えたことによる影響が顕在化しつつある携帯各社のネットワーク。
そんな中、非常に興味深いアプローチの研究開発をKDDIが行っています。詳細は以下から。
◆アーティストのライブやスポーツ中継の新しい楽しみ方を提示する技術
これがKDDI総合研究所ブースで展示されていた「点群圧縮技術」の解説。
多数のカメラによる画像処理やセンサーによる計測技術を組み合わせて「点群」を取得し伝送する技術で、国際標準の点群圧縮方式「V-PCC」が策定されています。
KDDI研究所は世界に先駆けてV-PCCのリアルタイムエンコーダーを開発。動画データを約1/40に圧縮して5Gスマホで視聴できるようにしました。
デモの様子。「Xperia 1 II(2020年発売、Snapdragon 865搭載)」でも快適に動作するため要求スペックはさほど高くなく、アーティストのライブやスポーツ中継などを360度あらゆる方向から楽しめます。
◆人の向きすら伝わる新たな3D音響も
さらに興味深いのが「3D音場合成」。音源の周囲に複数のマイクを配置することで、視覚情報とリンクした音場をリアルタイムで合成します。
動画の点群圧縮と組み合わせることで、より没入感の高いコンテンツを提供できます。
◆最新技術は災害救助にも活躍
また、KDDI研究所は世界に先駆けて建設や災害現場を3D化し、リアルタイム配信できる最新規格「G-PCC」のリアルタイム配信も実現。
地形などのデータを品質を維持したまま約1/20に圧縮して伝送できます。
リアルタイムエンコードの様子。CPU負荷もさほど高くないため、5Gインフラの整備が進んでいない山間部や、通信速度が限られる災害時でも遠隔地からリアルタイムで状況を把握することができます。
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