ドコモの「高周波数帯エリア改善技術」で通信も住環境も快適に、従来より低コストで場所も取らない優れもの



快適な住環境を作りつつモバイル通信も快適にしてくれる技術が研究され、実証実験が行われています。

ただ通信しやすいというだけでなく従来よりコストも下げられるなどさまざまな利点を持ち、今後の生活をより豊かにしてくれそうなものでした。詳細は以下から。

◆小型なのに脅威のカバー範囲で低コスト「屋内マルチセクタアンテナ」
「ワイヤレスジャパン2023」のNTTおよびドコモブースで、ミリ波やテラヘルツ波のエリア構築を低コストで実現する屋内マルチセクタアンテナの展示が行われていました。


高周波帯では高速で通信できるものの、直進性が強い上に遮へい物にも弱く、特に屋内ではコスト面も含めて運用が難しいものでした。

従来、全方位をカバーするためにはそれなりのサイズのパネルが4つ必要だったのに対し、マルチセクタアンテナは火災報知器ほどの大きさに収まっており、回路規模は従来の約1/10にまで抑えられています。


そのため狭い場所でも設置が容易になったほか、生産コストや消費電力も大幅に削減できるそうです。


設置場所は天井で、イメージ図はこんな感じ。テレビの導波器を高周波数帯に応用した12枚のアンテナにより、部屋の隅々にまで電波が行き届くようになっています。


◆断熱効果が高いのに電波は通しやすい「電波の窓」
断熱効果の高い建材やガラスはスマホで使われる周波数帯の電波を通しにくい傾向にありますが、エアロゲル素材を用いることで解消できるそうです。



これは実際に試している様子。電波法に違反しないよう、会場では密閉された箱の中で行われていました。


こちらが何も遮へい物がない状態で送受信を行った場合。


一般的な断熱(Low-E)ガラスでは電波を大きく遮っていましたが……


エアロゲル素材を使った電波の窓では、何もない状態とほぼ変わらない結果が出ていました。



これらの技術が広く使われるようになれば、屋内でのモバイル通信はもちろん住環境もより快適なものになりそうです。

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