【比較】「Pixel 8 Pro」処理能力や発熱を実機でチェック、10万円安いPixel 7aやXperia 1 Vと比べてみたところ驚きの結果に

最も安価な128GBモデルで15万9900円と、前モデルから大幅に値上がりしたPixel 8 Pro。

iPhone 15 Proと並ぶ非常に強気な価格設定ですが、はたしてその価値はあるのでしょうか。詳細は以下から。

◆Pixel 7aより10万円高いPixel 8 Pro
まず念頭においておきたいのが、今年5月に発売された廉価版「Pixel 7a」の本体価格。128GBモデルが6万2700円で、Pixel 8 Proとほぼ10万円の差があります。

1～120Hzの可変リフレッシュレートに対応した明るい有機ELディスプレイ、高画質な5倍ズームカメラなどハードウェア面はもちろん、7年間のアップデートまで保証されているPixel 8 Pro。「高いなりの理由」はもちろんあります。

◆Pixel 8 ProとPixel 7aの基本性能を比べてみた
今回は『スマホとしての基本性能』がどれだけ進化したのかを可視化すべく、それぞれが搭載しているTensor G3、Tensor G2の違いをベンチマークアプリで比較してみました。

・Geekbench 6
まずは定番アプリ「Geekbench 6」で両者を比べてみたところ。

Pixel 8 Proのスコアはシングルコア1774、マルチコア4552だったのに対して、Pixel 7aはシングルコア1446、マルチコア3706でした。実は20％ほどしか処理能力は向上していません。

興味深いのが比較用に計測したXperia 1 V（Snapdragon 8 Gen 2搭載）のスコア。シングルコア2030、マルチコア5401で、20％ほど差が付いており「Tensor G3は1世代前のプロセッサ」という印象です。

・3D Mark
続いてはゲームに向いているかどうかをチェックできる「3D Mark」で測定。「Wild Life Extreme」でのスコアは……

Pixel 8 Proが2546、Pixel 7aは1889。平均FPSも14.71に対して11.31と大きく差が開いており、Pixel 8 Proはグラフィック性能が35％ほど進化しています。

ただしXperia 1 VのスコアはPixel 8 Proの1.5倍近い3571。Tensor G3はSnapdragon 8 Gen 2にゲーム性能で大きく引けを取ったままであることも分かります。

◆発熱が気になるPixel 8 Pro、コスパが際立つPixel 7a
せっかくなのでベンチマークを20回連続で計測する3DMarkのストレステストも試してみることにしました。

テストの様子はこんな感じ。回を重ねるにつれ、処理がガックガクになっていきます。

結果は「Pixel 8 Proの最もパフォーマンスが落ちた時のスコアがPixel 7aの最高値」という皮肉な内容に。

なお、Xperia 1 Vの最もパフォーマンスが落ちた時のスコアは「Pixel 8 Proの最高値を少し割り込んだくらい」です。

ここで押さえておきたいのがストレステスト時の本体温度。Pixel 7aが40度まで上がったのに対して……

Pixel 8 Proは44度まで上がっており、高負荷で顕著に発熱することが分かります。

比較に用いたXperia 1 Vは45度に。単純に温度で考えればワーストですが弾き出したスコアが群を抜いているため「本体が発熱する割にパフォーマンスが低いのはPixel 8 Pro」ということになってしまいます。

初の4nmプロセスで製造されたPixel 8 Proの「Tensor G3」。

どこまで処理能力が向上するのかに期待が寄せられましたが、Tensor G2と比べて順当に進化しているものの、Snapdragon 8 Gen 2には全く及ばない現実をまざまざと見せつけられる結果になりました。

とりわけグラフィック性能は顕著で『ゲームをしたいのであればSnapdragon搭載スマホ、もしくはiPhone』という図式は当面揺るがないとみられます。

また、特筆に値するのがPixel 7aが見せたコストパフォーマンスの高さ。本体価格が2.5～3倍近いスマホと比べても十分善戦しているため「とりあえず安くて使えるスマホが欲しい」というニーズにおいては最強の1台と言えそうです。

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