KDDIが5Gエリア一気に拡大で通信速度やパケ止まり大幅改善へ、つながりやすいSub-6で断トツの基地局数やStarlinkとスマホの直接通信も


KDDIが5Gで本気を出します。詳細は以下から。

◆Sub-6の5Gネットワークを一気に拡大、高速・大容量化するKDDI
まずは能登半島地震被災地の通信ネットワーク復旧状況。基地局19局を残して、ほぼ完了しています。

基地局同士を結ぶ光ファイバーが使えなくなったことによる停波が多く発生した今回の震災。復旧にあたってStarlinkが大きな役割を果たしています。

今後の復旧計画はこんな感じ。道路が使えるようになり次第、3日以内に応急復旧できるよう尽力するとのことです。

世界に誇る通信品質を実現した日本の4G。とりわけauはプラチナバンドを使って、いち早く日本全国をカバーしたことで知られています。

そして5Gも、いよいよ普及期に。昨年3月末時点で約5.2万局だった基地局数も、今年3月末までには約9万局を達成します。

KDDIはLTEで足回りをしっかり固めつつ、5Gエリアの拡大と高速・大容量通信化を目指します。

既存の4Gエリアと干渉することで「パケ止まり」が起きていた5G導入期。

もともとパケ止まりしづらいネットワークを構築しているKDDIですが、ついに最も「パケ止まりしづらい」の座を獲得しました。今後とも切磋琢磨してもらいたいところです。

スマホが収集した通信品質やSNSでのユーザーの声を分析し、基地局の負荷を迅速に分散させることで通信品質を向上させてきたKDDI。

4G、5Gを快適に使えるよう自動化も導入されています。

高画質動画、3Dコンテンツ、生成AIなどの普及で今後どんどん増え続ける通信量。

KDDIは比較的つながりやすいSub-6(3.7GHz/4.0GHz/4.5GHz帯)の5Gで、200MHz幅の広帯域を活用。ドコモやソフトバンク、楽天モバイルを圧倒する基地局を展開することで、高速・大容量通信を一気に実現します。

今までは衛星との干渉を防ぐ目的で、Sub-6の基地局を出力を抑えざるを得ませんでしたが、規制が緩和されたことで本来の実力を発揮できるように。2024年度にはエリアが2倍に拡大します。

環境に配慮した基地局の研究開発も進んでいます。

通信品質でお客さまに選ばれるauへ」という、とても心強いメッセージが打ち出されました。

◆ユーザーの利用シーンに合わせてネットワークを強化へ
コミケやカウントダウンなど、局所的・瞬間的に発生する大量トラフィックに特別監視体制を敷くKDDI。

接続数が大きく改善されました。

アフターコロナでアウトドアや野外フェスなど、リアルでの体験が重視されるようになった昨今……

5Gエリアの拡大を進めるだけでなく、Starlinkも活用することで「いつでもどこでもつながるネットワーク」を構築します。

2024年内に予定されているStarlink衛星との直接通信が実現すれば人口カバーでなく「面積カバー」ができるようになるため、本当の意味で圏外がなくなるわけです。

今後のおさらい。200MHz幅の広帯域Sub-6で5Gエリアを一挙に展開し、イベントや災害時にはStarlinkも活用するKDDI。現在は衛星とスマホの直接通信に向けて技術と制度の両方から検証を進めています。

◆質疑応答

フリー石野:
5GネットワークについてSub-6を活用するという話だが、ミリ波についてはどう考えているのか。

KDDI:
1万2800局を目指している。なかなか屋外で面的にエリアを展開するのは難しい。屋外でも使えるようにするにはどうすればいいか、中継局を用いてミリ波のエリアをもう少し広げるなど開拓を進めている。ミリ波も十分使えるよう取り組みを進めている。

日経佐藤:
「5Gエリアが2倍」というのは24年度の数字が23年度に比べて2倍ということでいいのか。

KDDI:
カバー率が23年11月時点に比べ24年度第1四半期には2倍になる。

問:
5Gでパケ止まりの話があったが、出力を上げるとさらに止まることにならないのか。

KDDI:
閾値を調整して出力を上げるようにするが、むやみに干渉しないようチューニングを行っていく。

問:
アンカーバンドでパケ詰まりが起きるという話があったが、使えるBandや帯域幅など、御社が他社より有利な点はあるのか。

KDDI:
他社も同様の対策はできるが、KDDIはSub-6の周波数を多く持っているので、分散する余裕があることが有利な点だと認識している。

問:
他社が相当苦労しているなか楽に整備を進めているように見えるが、理由はあるのか。

KDDI:
そんなことはなく、日々地道に劣化したポイントを見つけては対策を講じている。その結晶。

問:
Sub-6のエリアが2倍になるという話があるが、具体的にもう少し情報が欲しい。

KDDI:
具体的に表現するのは難しいが、山手線の内側はほぼカバーできるようになる。

問:
エリアが2倍になることでユーザーはどう実感できるようになるのか。具体的なメリットがあれば教えて欲しい。

KDDI:
5G普及期においては「お客様体感品質」というものを強調したが、今後は高速性やレスポンス、遅延の少なさが高い要求水準として求められると想定。お客様の生活動線をカバーできるように努力する。動画コンテンツの視聴が増えている。スポーツ番組などの需要もある。Sub-6の広がりがお客様の利便性にもつながるのではないかと考えています。

問:
Sub-6の開発計画について、現時点でのSub-6の基地局数など教えて欲しい。

KDDI:
現時点では伝えられない。後日数字を改めて公表予定。

問:
もともと他社と比べて計画値が多くアグレッシブな印象。Sub-6について他社を見据えた戦略について教えて欲しい。

KDDI:
初期導入期においては他社も既存のものを利用していたが、普及期では先述のツーブロック(100MHz幅×2)と基地局数が有利になる。優位性を強みにしたい。

問:
(通信品質改善に用いる)ビックデータというのは具体的にどういうものか。

KDDI:
共通データ分析基盤は主に4つある。アプリログ、基地局通信ログ、体感品質データ、お客様の声。それらから劣化の大きい場所を見つけ出して修正を行っている。

問:
衛星干渉について詳しく。

KDDI:
地球局(首都圏)に対する干渉対策がようやく進んだ。これから有効利用を進めることが使命だと考える。

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