アメリカによる厳しい制裁の中、7nmプロセス採用の自社製プロセッサ「Kirin 9000s」を最新スマホ「Mate 60 Pro」に搭載したことで、華々しく復活を遂げたHuawei。
その勢いはとどまるところを知らず、最先端技術へのキャッチアップを進めていくようです。詳細は以下から。
海外メディアの報道によると、中国の半導体製造企業「SMIC」が年内に5nmプロセスを実用化するそうです。
まずはHuaweiの新型スマホ向けを皮切りに、NVIDIAの独壇場となっているAI用のプロセッサまで製造する計画とのこと。
いかんせんアメリカの制裁前に調達した旧世代の機器で製造するため、歩留まり(=良品率)を期待するのは難しいものの、半導体産業の育成を図る中国政府の莫大な補助金と巨大な内需を活用することで、弱点を克服するとされています。
なお、ここで興味深いのがSMICが最先端の3nmプロセス導入に向けた研究開発チームを編成し、設備投資額を20%以上増やすことを表明した点。
最先端の半導体製造にはアメリカによる制裁措置で中国が輸入できないオランダ・ASMLの「EUV露光装置」が必要になるため、現状そう簡単に実用化できるものではありません。
しかし昨年、半導体製造装置のシェア低下に苦しむキヤノンが劣勢挽回を図るべく、EUV露光装置不要で2nmプロセスまでの半導体を製造できる「ナノインプリント装置」を製品化しています。
ASMLに市場の大半を握られているキヤノンにとって中国勢は唯一獲得できる可能性がある大口顧客ということもあり、両者の利害関係は一致していますが、はたしてSMICおよびHuaweiは、どのようなアプローチで最先端半導体の製造にこぎつけるのでしょうか……?
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