KDDI「5Gエリア拡大、通信品質向上に関する説明会」まとめ、ドコモの2倍の基地局数で通信速度もエリアも飛躍的に改善へ


夏商戦向けのスマホが軒並み出そろい始め、iPhone 16の足音がほんのりと聞こえてくる中、KDDIがユーザーの快適な通信につながる発表を行いました。詳細は以下から。

◆速報記事
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【速報】auの5G「通常の4倍」の通信速度に、強化されたSub6の実測デモはこんな感じ | Buzzap!

◆発表会の様子
発表された内容は本物の5G(Sub6)のエリア拡大、ならびに通信向上に関するもの。

KDDIの前田大輔コア技術統括本部技術企画本部長から説明が行われました。

今年2月に行われた5G展開方針に関する説明会の続きとなる今回の発表。

おおよそ10年単位で新しくなるというモバイルシステムの整備進めているKDDI。去年までは導入期でしたが、今年から普及期に入りました。

導入期では4Gの転用周波数による面的設備を先行していましたが、いよいよSub6エリアの拡大が図られます。

すでにSub6の基地局数で4社中No1を達成しているという強みを生かして積極的な展開が行われていくことになるようです。

今までは衛星通信基地局への干渉を避けるため出力が抑えられていたSub6ですが、事業者に協力を仰ぎ地球局の移転など対策が行われ、今年3月末には制限が解除されました。

加えて基地局のアンテナ角度を最適化することで、Sub6のエリアを関東では2.8倍にまで拡大することに成功したそうです。

もちろん各地でもエリア拡大中。全国規模では1.5倍への拡大に成功しています。

重要視され、丁寧に開発が進められているのは生活動線。鉄道周りや商業地域で、86%を超えるカバー率を実現しているようです。

色でなんとなく察せられる各社との比較。23区内でも業界最大のカバー率です。

5G通信での速度はなんと3倍となる300Mbps超に。これにとどまらず、さらに切磋琢磨して5Gで他社を追い越すとしています。

Sub6を用いた5Gで明確に差が出るのは容量の大きい動画視聴時。読み込み時間が激減し、高画質動画でも快適に再生できるようになります。

そしてゲーマーにとってはかなりうれしいレイテンシの改善。灰色のA社(恐らくソフトバンク)も優れていますが、KDDIも改善が進み格闘ゲームなどで遅延があまり気にならなくなる20ms以下の割合を増やす事に成功しました。

近接するSub6の100Mhz幅を2ブロック保有するKDDI。2つを一体化できるSamsungの「Dual Band Massive MIMO」で、さらなる超高速の世界にユーザーを導きます。

Sub6における強みを生かし、伸ばすことでユーザーに訴求し品質ナンバー1を目指すようです。

◆質疑応答

日経クロステック:
Sub6が屋内でも使いやすいエリアだと、レイテンシはどうなる?首都圏だと2.8倍だが全国だと1.5倍になる理由は?

KDDI:
屋内だと品質は劣化するものの、100dBmの電界強度があるエリアを強化していく。転用周波数の高品質な5Gも併用する。出力制限を行ってきたのは衛星事業者の地球局の配置の問題で、東名阪や沖縄などで影響があった。それ以外の地域ではすでに出力をアップした状態だったため、1.5倍にとどまる

ケータイWatch:
4G周波数の5G転用、既存ユーザーに影響はあるのか。衛星事業者対策は他社にもメリットがあるのでは?

KDDI:
エリアによって4G、5Gの割合を検討しながら整備している。7割強が5G端末を用いているため、5Gに転用した周波数はそのまま5Gのまま利用している。エリアの基盤となる800MHzおよび2.1GHz帯は4Gユーザーが快適に利用できるよう注意を払っている。

もちろん他社にもメリットがあるが、最も多く基地局数を整備したKDDIが一番制限を受けてきた。今回の干渉緩和によって、最も恩恵を受けることができるのは我が社です。

フリー石川:
ミリ波の端末割引制限が緩和されることで、どのような対応を考えておられますか?

KDDI:
ミリ波に関しましては、ネットワークの観点で言うと「すぐに整備しないとキャパシティが不足する」という段階ではありません。いずれは必要になると考えており、その際対応端末の普及が必要になりますが、本当にミリ波が必要なタイミングに備えられるよう業界を挙げて対応していきたい。

日経桜木:
Sub6の面積カバー率は?

KDDI:
関東の人口カバー率をお伝えすることはまだできないが、4.3万メッシュだったのが12.2万メッシュまで拡大できたので、かなりのエリアをカバーできたと考えております。

東洋経済:
Sub6ならではのニーズは生まれている?2030年に向けて、インフラシェアなどの取り組みを進めていくのか。

KDDI:
「放送の高品質な伝送にも使える」「ゲームをリアルタイムでプレイできる」など、サービスによって5Gネットワークの品質をスライシングしていくようにすると、ニーズが立ち上がってくると考えています。

今はSub6、その次はミリ波と整備を進めていくことを考えております。一方で設備投資を効率的に行っていくにはシェアリング、仮想化などを含めて基地局単価を低減していく必要があります。最終的には4Gと同じ20万局と同等ないしそれ以上の規模で整備を進めます。

フリー佐野:
基地局はどれくらいの規模で整備していくのか。新たな周波数帯(4.9GHz)の獲得は?

KDDI:
導入期の投資額は多めに膨らんできました。今後は品質やキャパシティ、スループット向上を進めていくのである程度落ち着いた額になる。質の高い5Gネットワークを作り上げていく。

4.9GHz帯獲得は前向きに考えているが、すでに利用している事業者様が多いため、コストも勘案しないといけない。

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