【要注意】楽天モバイル「5G最速(Opensignal調べ)」信頼性ゼロ、不都合な数字を省いたユーザー無視の内容に


少なくとも、こんな謳い文句を鵜呑みにすべきではない

そう考えざるを得ない理由を説明していきます。詳細は以下から。

◆「5G最速」の楽天モバイル、ソースはOpensignal社
まず見てもらいたいのが、今年4月に楽天モバイルが発表した「5Gは楽天モバイルが国内最速」とアピールするプレスリリース。

調査会社「Opensignal」のデータを元にしたもので、楽天モバイル共同CEO兼CTOシャラッド・スリオアストーア氏が「商用サービスの本格提供開始からわずか数年で、楽天モバイルは業界をリードする革新的な通信事業者となりました」とコメントしています。

リリースに掲載された各社の下り通信速度はこんな感じ。楽天モバイルの5Gがドコモ、ソフトバンク、そして4G回線の一部を借りているauを圧倒して1位です。

au:128.0Mbps
ドコモ:166.6Mbps
楽天モバイル:214.5Mbps
ソフトバンク:141.6Mbps

なお、自社サービスの優位性を裏付けるものとして、楽天モバイルはこのデータを事あるごとに引用しています。

◆「200Mbps超え」のはずが1Mbps未満も、実情と全く異なる調査結果
しかしここで疑問に思わざるを得ないのが、そもそも楽天モバイルで「200Mbps超え」を目にすることがほぼ無い点。

iPhone 16発売が迫る中、Buzzap!では東京都内の人気スポット各所で通信速度を測定する記事を複数(新宿渋谷銀座東京駅)アップしていますが、執筆する中で楽天モバイルの5G回線は2つの大きな問題を抱えていることが分かってきました。

1.全く速度が出ない
繁華街や駅、商業施設などの人口密集地で顕著になるのがこちら。例えばJR新宿駅東口を出てすぐにある、新宿アルタ前で楽天モバイルとauの通信速度を比べてみると……

5Gで通信できているにもかかわらず「楽天モバイルは1Mbps台、auは60Mbps後半」と、Opensignal社のデータとは全く異なる結果になりました。


誰もがテレビなどで一度は見たであろう新宿歌舞伎町の入口でも……

楽天モバイルは1Mbpsに満たない超低速。ネットワークの整備が追い付いていないのは誰の目にも明らかです。

2.パケ止まり
もう一つの問題は、通信が上手くいかず途中で止まる通称「パケ止まり」。繁華街のような人口過密エリアでなくとも各所で顕著に感じることができます。

平日昼間に銀座の東急プラザ前で通信速度を測定(左からau、ドコモ、ソフトバンク、楽天モバイル)してみたところ。爆速のauを筆頭に各社がサクッとテストを終える中、右端の楽天モバイルだけ3回中2回もパケ止まりでテストが終わりません。


「超低速」「パケ止まり」が同時に起きるとこんな感じ。速度は出ず、テストは常に失敗してしまうため、全く使い物になりません。


◆楽天モバイルが「200Mbps超えで1位」になるカラクリは?
多くのユーザーの使用感に直結する繁華街や都心部での通信速度が1Mbpsに満たない上、パケ止まりまで頻発するにもかかわらず「国内最速」をうたう楽天モバイル。

そこでOpensignal社が公開しているデータの収集手法を確認してみたところ、屋内での数値にかなりのウエートが置かれていること以外、一般原則の部分にさほど違和感はありませんでした。

・測定値のほとんどは屋内から収集
・キャリアによる「ネットワークの最適化」の影響を排除
・ユーザーの端末からCDN(Google、Amazonなど)までのフルパスを測定

しかし見逃せなかったのが測定データの取り扱いに関する「プロセッシング」の項目。コンテンツのダウンロードに失敗すると「テストに失敗した」と扱われるため、楽天モバイル回線で頻発するパケ止まり時の通信速度はOpensignal社の測定結果に含まれないようです。

また、『データ・サイエンスの一般的な手法として極端に高い値と低い値の割合を排除する』ことから楽天モバイル回線のみ人口密集地で頻発する1Mbps前後の超低速も、測定結果から除外されることになります。

さらに5Gが不安定で通信中に4Gへと切り替わる『4Gに落ちる』現象が起きた場合も除外対象とのこと。

つまり楽天モバイルが掲げる「国内最速5G」は、以下を除いた場所での通信速度が1位というユーザーを無視した内容となるわけです。

1.整備不足で速度が極端に落ちる繁華街
2.パケ止まりが起きる、少しでも混んだ場所
3.5Gの電波が弱い場所

◆「整備してないけど1位」の楽天モバイルは不誠実すぎないか
整備不足に由来する不都合な結果を除外できるならば、楽天モバイルが断トツの1位になるのも理解できるOpensignal社の調査結果。

しかし5Gが満足に整備されていない現状で「電波が安定して入って、人口過密による速度低下やパケ止まりが起きない場所での通信速度No.1」を掲げることに、一体何の意味があるのでしょうか。

分かりやすい例がターミナル駅構内。携帯各社が必死に整備を進めてなお速度が出ない難所ですが、たとえ1Mbpsに満たない通信速度であっても、毎回パケ止まりが起きても、測定データは除外対象となるため楽天モバイルの自称「通信速度No.1」は安泰なわけです。


不都合な数字を排除したとみられるデータから「業界最高水準の通信品質」をうたう楽天モバイル。

あまりに実情とかけ離れており、不誠実と言わざるを得ない気がしてならないため、Buzzap!編集部では引き続き実測記事をお届けする予定です。

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