【動画あり】京セラが5G仮想化基地局で世界展開へ、PHSやミリ波で培われた通信技術とAIの融合で国内を皮切りに商用化を目指す


京セラが本日、通信インフラ事業への参画を明らかにしました。

モバイル通信の未来を大きく変えるかもしれない新技術や、海外6社と結んだアライアンスの内容なども含めた発表会の様子をお届けします。詳細は以下から。

◆発表会の様子
まずは今後の事業展開などについて解説した動画が公開。約10分に及びますが、非常にわかりやすくまとめられており必見の内容です。


本日発表されたのは3点。

まずはAIを活用した5G仮想基地局の開発。汎用サーバーにAI関連の処理に強いNVIDIAの「GH200 Grace Hopper Superchip」を採用しています。

日中でも夜間でも電力制御により無駄なくAIにリソースを割くことで、最適化およびコスト削減を実現。

CU/DC・RUを複数キャリアで共有することで、さらなるTCO(総コスト)削減を狙います。

その削減量は半減に近い44%。商用化に至れば各キャリアの通信料金にも影響しそうです。

2025年の今になって京セラが通信インフラに参入するのは、専用RANからOpen化が図られるなど業界が大きな変革期を迎える中で、新規参入のチャンスが近々訪れるとにらんでいるため。

秘密裏に5年間の開発を進めていたという京セラ。O-RAN普及推進を担う牽引役を狙っています。

そしてその実現のために設立したのが、通信パートナー6社との「O-RUアライアンス」。後日承認式を行う予定としています。

無線ネットワーク技術を担う台湾の「WNC(Wistron NeWeb Corporation)」など、本日は会場に各社のトップも来場。

30年以上に渡り京セラとパートナーシップを結ぶ「Microelectronics Technology(台湾)」。

インドで唯一ワンストップでユーザーとエンジニアリングを結ぶ会社、「VVDN Tecnologies」。社名はボイス、ビデオ、ネットワークの略称が元になっています。

協業を通して両社の発展を望みたいという「HFR(韓国)」。

OpenRANに無限の可能性を感じ、参画を決定した「Alpha Networks(台湾)」。

そして北米やアジアなどで事業を展開する「SOLiD(韓国)」。世界中のシームレスな接続環境を実現したいと意欲を示していました。

最後に発表されたのが世界最大級の通信関連展示会「MWC Barcelona 2025」への出展。

アライアンスを結ぶ各社の無線装置も展示するとのことです。

スローガンになるのが「No Border, Go Bolder」。展示会を通じてさらなる発信を行いたいとのことです。

アライアンスを結ぶ各社とともに、次の一歩を踏み出したいと宣言する京セラ。今後の活躍に期待がかかります。

◆質疑応答

Q:
各キャリアとの協業は考えているのか

京セラ:
まだ公の場でお客様と一緒に、という段階ではない。まずは魅力あるものを開発するのが第一と考えている。その段階がきたら公表させていただきたい

Q:
どのあたりまで開発できているのか

京セラ:
是非MWCで確認いただきたい。NVIDIAさんのサーバーの元でどう動くのかなど、デモンストレーションも行う予定

Q:
商用化のめどは

京セラ:
商用化に向けてハードルの設定をして、いつクリアできるかと試算計画してる段階。明確になった段階で回答したい。近いうちにできるよう努力する

Q:
ほかのベンダーとの違いについて、特段大きな違いは無いと言っていたが、差別化というかどのように御社に強みを出していくのか

京セラ:
手段としてのMO-RANというのを、安心してまかしていただけるような技術を実現できれば、品質コストなどそれが魅力あるものになるかと。
1つの事例としてアメリカの軍事関係でも使われたミリ波の技術がある。必ずミリ波は使われると思っている

Q:
通信のインフラ事業に参加するとのことだが、事業における目標の金額などあれば教えていただきたい

京セラ:
冒頭で申し上げたが、こういう世界で開発を本気で取り組んでいるというのを発信したかったのが今日の趣旨。まずO-RANを普及させたい
弊社が目指す世界に賛同できるかというの見極めていただきたいというのが今の段階。事業化について、思いはあるが現段階では差し控えさせていただく

Q:
アライアンスにしなくても、御社と他社企業との関係だけで事足りそうだが

京セラ:
オープン化とエコシステムの形成というのが今回の趣旨。アライアンスの中で切磋琢磨して性能向上やお客様に対していろいろな視点で提供するにあたって、アライアンスの形を取るのがベストだと判断した

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