次世代の超高速通信を実現できる一方、プラチナバンドなどとは比べものにならない直進性の高さから、人体や車などすら遮蔽物になってしまうミリ波。
どこでも快適に通信できるようにするためには、物凄い数の基地局を敷設するしかありませんが、ドコモが興味深いアプローチを開発しています。詳細は以下から。
ワイヤレスジャパン2025のドコモブースに展示されていた「フレキシブルエリア構築技術(つまむアンテナ)」の概要。同技術は主にミリ波やサブテラヘルツ帯(28GHz、60GHz、280GHz)を意識したものです。
従来、地下街や地下鉄のトンネルの中で通信できるようにするためには電波を漏らすための穴がある「漏洩同軸ケーブル」が用いられていましたが、10GHzを越える周波数で通信エリアを展開する際には利用できないとのこと。
そこで開発されたのが、つまむアンテナです。
実証実験の様子。ケーブルの任意の位置に洗濯ばさみを取り付けると、そこから電波を発射できるようになるというもので、遮蔽物の多い地下街や曲がり角などでもミリ波でエリアを展開できるのが特徴です。
洗濯ばさみはプラスチックの小片が取り付けられた、ごくごく単純なもの。ここから電波が発射されるようになるのは、不思議な気がしてなりません。
なお、ロスの問題があるため現時点でケーブルの長さは数十メートル程度が限界。
しかし遮蔽物が多く、反射板を設置できない場所でも柔軟にエリアを展開できるようになることから、ミリ波のポテンシャルを最大限に引き出せそうです。
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