「下り最大165MbpsのPocket WiFiが使い放題」という、思い切ったキャンペーンをワイモバイルが展開しました。
イー・モバイル時代、インターネット回線の無い一人暮らしの家庭などに向けてパソコンとセットで売られていたPocket WiFiだけに、固定回線の代わりに……と考えるユーザーもいるかもしれませんが、気を付けるべき大きな点がいくつかあります。
◆「高速データ通信が使い放題」とうたう「CA対応Pocket WiFi使い放題キャンペーン」
ワイモバイルのプレスリリースによると、本日2014年11月1日(土)から展開される「CA対応Pocket WiFi使い放題キャンペーン」は、新型モバイルルーター「Pocket WiFi 305ZT」を月額3696円で24ヶ月間利用できるようになるというもの。
Pocket WiFi 305ZTは2.5GHz帯のAXGPを2つ束ねるキャリアアグリゲーションで下り最大165Mbpsを実現。
建物の中に弱いAXGP以外にも、ソフトバンクのLTE(2.1GHz帯)やワイモバイルのLTE(1.7GHz帯)を切り替えて利用できます。
◆少し手間のかかる「使い放題」の仕組み
上記の条件だけ聞けばなかなか悪くないのでは……と思える同キャンペーンですが、提供条件をよくよく見ると、対象となる「Pocket WiFiプラン+」の通信量上限(7GB)を超過した際の、通常速度に戻す追加料金(500MBごとに500円)が最大2年間無料になるというもの。
通常速度に戻すには「My Y!mobile」またはPocket WiFi本体のタッチスクリーンから申し込む必要があるとされているため、「ルーターを買えば後は何もしなくても無制限に使える」という内容では決してありません。
◆使い放題を許してくれそうにない「3日間で1GB制限」や通信切断
そして極めつけとなるのが、Pocket WiFiプラン+にも課せられる通信速度制限。前日までの3日間の通信量が約1GB以上のユーザーは当日6時から翌日6時まで通信速度を落とされます。
また、以下のコンテンツ・サービスに対して通信速度の制限や各種ファイルの最適化を行う場合があるとのこと。なお、最適化は不可逆圧縮で行われ、データの復元はできないことから、常に劣化したコンテンツを見ることになります。
上記の制限に既視感を覚える人もいるのではないかと思われますが、これはワイモバイルと同じソフトバンクグループのソフトバンクモバイルと同じもの。
かつてBUZZAP!で行った「3日間で1GB制限」をオーバーしたau回線(左)とソフトバンク回線(右)の比較では、ソフトバンクは条件に該当するユーザーに対し、速度計測が成り立たないほどの制限を課していることが判明しています。
このような制限は大手携帯電話会社ではソフトバンクグループが最も厳しく、1日あたりの通信量を333MBきっかりに収めなければ、通信速度を極端なまでに制限されてしまうため、「CA対応Pocket WiFi使い放題キャンペーン」といっても、本当の意味で「使い放題」とは言いづらいわけです。
また、Pocket WiFiプラン+のページでは以下のような注意書きも記載されており、長時間連続して通信が行われた場合などに通信が切断されるケースもあるとのこと。つまり常時接続すら保証されていません。
長時間連続して通信を行った場合、または他の通信に影響があると当社が判断した場合など、その通信を切断することがあります。その場合、あらためて接続操作を行っていただくことで接続が再開されます。
つなぎっぱなし&無制限を前提にしているWiMAX 2+/WiMAXやぷららモバイルLTEなどと比べて条件の厳しいワイモバイル「使い放題」。各種条件が緩かったEMOBILE LTEが懐かしいとすら思ってしまいますが、提供条件の見直しなどは行われるのでしょうか……。
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