多くの話題を振り撒いて昨年選ばれた高円寺商店街連合会の公式キャラクター「サイケ・デリーさん」。ついに3次元に初降臨するお披露目式が行われるとのことで突撃してきました。
昨年の夏に行われた高円寺商店街連合会の公式キャラクター募集。「ゆるいのからぶっ飛んでるのまで、どしどしご応募下さい」との公式SNSでの発言をきっかけにルール無用の応募が殺到、さらにそれらに対する公式ツイッターの神対応によって大きな話題となりました。
それによって結果的に890作品もの応募が集まり、最終審査会にはみうらじゅん氏が審査委員長として参加するなど、この上なく高円寺色に満たされた選考過程を経て選ばれたのが稲田梨名さん作の「サイケ・デリーさん」なのです。
高円寺商店街の公式キャラ、「サイケ・デリーさん」に決まる - 高円寺経済新聞
「高円寺は日本のインド」という名言を世に送り出したのもみうらじゅん氏であったことを考えれば、「インド」「サイケデリック」「阿波おどり」をコンセプトにデザインされたサイケ・デリーさんが公式キャラクターに選ばれたのは偶然などではなかったのかもしれません。
「全ては繋がっている…」インドを旅したことのある人の多くは、長い旅路のどこかでそう感じさせられる瞬間に出会うものです。インドと高円寺を繋げたみうらじゅん氏の下に、その「繋がり」がサイケ・デリーさんという形で舞い戻ってきたと言うこともできるのかもしれません。サイケデリックというコンセプトからキノコという発想はさておいたとしてもです。
その時みうらじゅん氏が何を思い、サイケ・デリーさんを選んだのかは推し量ることしかできませんが、ともかくサイケ・デリーさんは選ばれました。多くの共感と歓声、そして同じくらいのどよめきと動揺を以て。
そしてその騒動から半年、サイケ・デリーさんがついにその姿を待ち望んだ人々の前に表すことになったのです。語尾に付けられる「デリ~」、そしてお願いする時は「くだサイケ」。よいです。いちいち素晴らしいです。作り込みに高円寺愛がビシバシ感じられます。
おはようございまサイケ・デリーさんです。明日やっとみんなに会えるデリ0!!この土日は、ニコニコ超会議より、高円寺のサイケ・デリーさんお披露目式の方がきっと混んでなくて、快適に観れるデリ0!!会いに来てくだサイケ! pic.twitter.com/9Bpttj79z4
— サイケ・デリーさん(高円寺商店街キャラ) (@koenjichara) 2015, 4月 23
当日、高円寺では「高円寺びっくり大道芸2015」という国内外のパフォーマーが集まるフェスティバルが高円寺一帯で行われており、サイケ・デリーさんのお披露目式もその一環として高円寺南口で行われます。
駅前の広場や商店街などの路上ではあちこちでパフォーマンスが行われたり、不思議なオブジェが置かれたりしていました。
こちらがお披露目式の行われる南口広場。ショーを見ている人々の口から時折「サイケ・デリーさん」という単語が聞こえます。待たれてます。期待されています。
そしてふと見ると…!!なんとサイケ・デリーさんが信号待ちをしているではないですか。思い描いたいたよりも養分多めのブリっとした存在感。そして口が大きい、赤い。髭とのコンビネーションはセクシーを超えてちょっと卑猥さすら感じます。そして背丈的には意外と小柄。「あれ中の人大変なんじゃ…」という見物客のつぶやきも聞こえましたが、中の人などいない。
待ちきれない人々に取り囲まれます。
子供たちにも大人気…!?
公式キャラになれなかったグレキャラたちも登場して絡み始めます。
そしてサイケ・デリーさんは同じターバンを被ったデリ姉さんと共に風格すら感じさせる堂々とした足取りで横断歩道を渡り、会場へ。お披露目式の始まりです。
サイケ・デリーさんとデリ姉さんの軽快な掛け合いは大人気だったのですが、恐らくは作者も知らないと思われる設定が追加されています。
◆いじけると目が赤く光る
サイケ・デリーさんはいじけると目が赤く光り、時には座り込んでしまいます。インドでサイケで赤目って!と爆笑するクラスタもいれば「王蟲だ…」「大気が怒りに満ちておる…」と機敏に反応するクラスタもおり、高円寺はやっぱり最高です。
◆舐められると幸せになる
サイケ・デリーさんは人々の悩みを聞いてくれます。ですがサイケ・デリーさんは何もアドバイスはしてくれません。その代わり、幸せになる魔法を使うのです。その魔法の掛け方というのが真っ赤な長い舌で舐めるというもの。
位置関係で言うと、サイケ・デリーさんの真っ赤な口は成人の膝くらいの高さです。そこから同じくらい赤くて長い舌がにょきにょきと突き出し、舐め上げるのです。位置的にはふとももから腰に当たります。エロい!ずるい!高円寺やっぱり最高です。
15分ほどでお披露目式は大盛況のうちに終了。そしてその後14時からと16時からは駐車場のブースで撮影会も行われました。ツーショット写真が撮れるとあってこちらも行列。家族連れも多かったのですが、並んでいる人や通りすがりの人の会話を聞いていると大人も子供も好き嫌いが真っ二つに別れていたのが非常に印象的でした。
動いている様子の動画が公式からアップされています。
サイケ・デリーさんはじめてのお散歩 - YouTube
こちらは物販ブース。サイケ・デリーさんTシャツとトートバッグがが売られていました。Tシャツのサイケ感が素晴らしいです。唇のリアルさも現物に負けていません。トートバッグは「kigurumi coming soon!」と書かれているレア物。ファンなら揃えておきたいアイテムです。
そしてサイケ・デリーさんの誕生の秘密が書かれているポストカードも置いてありました。この誕生秘話がまた素晴らしいのです。それはインドを旅していた日本人の青年が、昔高円寺を訪れたことのあるインド人のおじいさんに出会い、高円寺の噴水に投げ込んでほしいと頼まれるというもの。
なんということでしょう!これは20年ほど昔、猿岩石がユーラシア大陸を横断した頃からバックパッカー達の間でさかんに囁かれた「宝石詐欺」のエピソードへのオマージュではありませんか。ぐっと来ます。2度言いますがこれはぐっと来ます。
※実際の「宝石詐欺」はインドやネパール、東南アジアの宝石商を名乗る人物から日本の知人の店(もちろん実在しない)に宝石(実際は無価値なクズ石)を運んでくれないかと依頼されるというもの。なぜか卸売の値段を旅人が払わされることになり、日本のその店に持っていけば何倍もの値段で買い取ってくれるという甘い話を囁かれ、欲に目の眩んだ初心者バックパッカーが餌食になるというもの。都市伝説ではなく、筆者も若かりし頃に一度話を持ちかけられたことがあります。
そんなインドと高円寺がフュージョンしたカオスでサイケデリックなサイケ・デリーさん、最後の重要コンセプトとなる阿波おどりに関しては既に全国区の知名度を誇る「高円寺阿波おどり」への参加が気になるところ。
8月末という高温多湿な季節であるだけにいろいろ心配にはなってしまいますが、酷暑期には最高気温が45度を超えることもある「デリー」の名前を冠するだけに、日本の暑さを吹き飛ばしてほしいところでもあります。
想像を巡らせるだけであまりにも伸びしろが全方面に大きいサイケ・デリーさん。今後のアクションが気になってたまりません。最後に原画とツーショットしてもらいました。
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