経営不振のシャープがまたしても赤字に陥りました。主力製品のスマホ液晶の販売低迷が続いています。詳細は以下から。
シャープ、営業赤字350億円 4~6月スマホ液晶不振 :日本経済新聞
日本経済新聞社の報道によると、シャープの2015年4~6月期は売上高が6000億円程度と前年同期(6197億円)をやや下回り、連結営業損益は350億円程度の赤字(前年同期は46億円の黒字)に陥ったそうです。
4~6月期に赤字に陥るのは、テレビ向け液晶不振に見舞われた2012年以来3年ぶり。
低迷の原因として主な顧客である中国のスマホメーカー向け液晶が海外勢との競争激化で値下がりし、新規の顧客開拓も難航したこと、エアコン販売が低迷し、白物家電の業績が想定より苦戦したことが挙げられています。
なお、シャープは4~9月期の営業利益を100億円(前年同期比66%減)と見込んでいますが、7月以降も厳しい状況が続いており、業績回復の遅れ次第では、リストラ策の早期実行を迫られる可能性があるとしています。
JDI was top supplier of panels to Apple in 1Q15, says report
上記の日本経済新聞社の報道では、シャープのスマホ向け液晶事業低迷は海外勢との競争激化によるものとされていますが、DisplaySearch社の解析によると、Appleに液晶パネルを納入しているシャープ、ジャパンディスプレイ、LGディスプレイの3社のシェアが最近になって大きく変動。
2015年第1四半期はジャパンディスプレイが35.9%(前年同期は32.4%)でシェアトップに躍り出て、LGディスプレイも34.5%(前年同期は28.8%)へとシェアを伸ばしたのに対し、シャープは29.6%(前年同期は38.8%)にまで落ち込み。首位から最下位へ転落する、文字通り一人負けの状態となっています。
なお、Apple向け液晶で一躍首位に躍り出たジャパンディスプレイは、パネル出荷数の47%をApple向けが占めているほか、ZenfoneシリーズでおなじみのASUS向けが10.5%、Xiaomi向けが9%を占めるなど、大手中国メーカーからの受注も獲得。シャープと厳しい競合関係にあるのは決して海外勢だけでないことが分かります。
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