アルゼンチンのビーチを訪れた観光客らの思い出のために1頭のイルカが死に追いやられました。詳細は以下から。
この出来事が起こったのはアルゼンチンのビーチリゾートで有名な街、サンタ・テレシータ。波打ち際に泳ぎ着いていたラプラタカワイルカを遊びに来ていた観光客の男性が、海水から引き上げました。
すると辺りにいた観光客らが寄ってたかってイルカを触ったりスマホで写真撮影をしようともみくちゃに。イルカは急速に弱って動かなくなり、最後はビーチの砂の上に放置されて死亡しました。
その際の映像がこちらです。
Baby dolphin dies after being passed around for selfies - YouTube
ラプラタカワイルカは他のイルカと同様に、分厚い脂肪を含んだ表皮を持ち、これによって体温を維持しています。それゆえに現在真夏のアルゼンチンのビーチという暑い環境で海水から出されたことで急速に脱水症を起こし、死亡したものと (AWF)は語っています。
ラプラタカワイルカはアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルといった、南米の大西洋岸だけに見られるイルカで、カワイルカの中では唯一海洋や河口域に生息しています。野生での個体数は30000頭で、毎年多くの個体が刺し網の被害にあっていることが問題視されていました。
イルカの写真を撮りたいがために海から引きずり出し、結果的に死に至らしめるというエゴに満ちた今回の行為に対し、世界中で大きな批判が巻き起こっています。
どんな事件や事故が起きてもまずはスマホで写真を撮ってSNSでシェア。そんな人間の浅ましさが最悪の形で現れたと言えそうです。
Endangered baby dolphin dies after swimmers pass it around for selfies - The Washington Post
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