月の地下に全長50kmの巨大空洞を発見、水や氷の存在可能性があり有人探査基地への利用も


月面基地がにわかに現実味を帯びてきました。詳細は以下から。

地球から最も近く、身近な天体「月」。1969年にアポロ11号で人類が初めて降り立ち、そして1972年12月19日11日に着陸したアポロ17号を最後に45年間もの間私たちはこの衛星を訪れていません。

現在は中国が宇宙飛行計画の一環として月への有人飛行を計画しているとされていますが、具体的な計画は今のところ公表されていません。

そんな月にはアルミニウムやチタン、鉄に水素や酸素といった資源がある事が分かっており、映画「月に囚われた男」でも描かれていた「理想の核融合燃料」であるヘリウム3も存在しています。

つまり現時点はともかくとして、将来的には月に存在する資源は地球人類にとって極めて有用なものとなる可能性があるということ。もちろん1/6の重力と極寒の真空、降り注ぐ大量の宇宙線といった地球とはあまりにも違う月面の環境は資源の採掘には大きな障害となります。

ですが2009年に月面の「マリウス丘」と呼ばれる領域に直径と深さがそれぞれ50mの縦穴が日本の月探査機「かぐや」によって発見されたのです。

2016年から電波を使って得た周辺の地下構造のデータを精査したところ、この縦穴から西に向かって幅100mほどの空洞が約50km伸びていることが判明しました。この地下空洞の内部は崩壊しておらず、地中の岩石などに氷や水が存在する可能性もあるとのこと。

月では10億年ほど前までは大規模な火山活動が行われていたと考えられており、この地下空洞はいわゆる「溶岩洞」に当たるものとみられています。

仮に将来この空洞を資源採掘時の基地にできれば、宇宙線や温度変化から身を守り、氷や水が存在していればを燃料や生活資源として活用できる可能性もあります。

月の表面に1から基地を作るより遙かに低コストで安全な基地を作れるとなれば、月資源の活用もより手の届くものとなるかもしれません。夢が膨らみます。

月の地下に長さ50キロの空洞 探査機「かぐや」で判明:朝日新聞デジタル

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