楽天モバイルが1円でばらまいたオリジナルスマホ「Rakuten mini」において、ドコモ、au、ソフトバンクどころか世界中の携帯電話事業者が採用している周波数帯「Band 1」への対応がこっそりカットされていたことについて、行政指導が行われました。詳細は以下から。
総務省の報道発表資料によると、楽天モバイルが販売している「Rakuten Mini」の取扱いについて、電波法令の遵守及び利用者利益の保護の徹底に関し、文書により指導を行ったそうです。
楽天モバイルが総務省に寄せた報告によると、「Rakuten Mini」には対応周波数帯の異なる3種類の機器が存在しており、以下の3点が判明。
分かりやすく説明すると、技適マークを取得した仕様に合致しない上、認証の番号と異なる番号を表示した「Rakuten Mini」を消費者に説明することなく販売していたことになります。
1.認証を受けた工事設計に合致しない機器を、当該工事設計に基づき製造されたものとして販売していたこと。
2.付与された工事設計認証の番号とは異なる番号を表示した特定無線設備の製造・販売を行っていたこと。
3.対応周波数帯が異なる3種類の機器を製造・販売していたにもかかわらず、各機器の対応周波数帯等の違いについて、消費者に対して説明を行わないまま販売していたこと。
総務省は「法令順守及び利用者利益の保護の観点から問題」とした上で、同社に厳重注意を行うと共に、報告書記載の再発防止策等を実施することなどを指導。2020年12月末日までの間、毎月の取組状況を報告することを求めています。
ちなみにRakuten Miniの対応バンドは以下となりますが、興味深いのが対応周波数・通信方式の報告を誤るなど、楽天モバイル自身も仕様を把握していない部分があったとみられる点。
4G:FDD-LTE Band 3(1.8GHz)/ Band 4(1.7GHz)/ Band 5(800MHz)/ Band 18(800MHz)/ Band 19(800MHz)/ Band 26(800MHz)/ Band 28(700MHz APT)、TD-LTE Band 38(2.6GHz)/ Band 41(2.5GHz)
3G:W-CDMA Band IV (1.7GHz) / Band V (800MHz) / Band VI (800MHz) / Band XIX (800MHz)
[製造番号(IMEI)351676110356708以前の製品]
上記に加えてBand 1 (2.1GHz)に対応する一方、Band 4 (1.7GHz) / Band 5 (850MHz)/Band 38 (2.6GHz)非対応
[製造番号(IMEI)351676110356716~351676110680487の製品]
上記に加えBand 1 (2.1GHz)に対応する一方、Band 4 (1.7GHz) に非対応
満を持してリリースした自社オリジナルスマホの仕様すら満足に把握できていないのは、携帯電話事業者としていかがなものか……と言われてしまうのは、仕方がないことかもしれません。
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