「クソリプ防止機能」ツイッターで実装、リプで邪魔されずデマ流し放題に



リプライで指摘されることなく、言いたい放題にデマを流すことが可能となってしまいます。詳細は以下から。

ツイッターでのリツイートと並ぶ重要な機能であるリプライ。投稿されたツイートに対するいわゆるコメントに相当するものですが、このリプライを制限することが可能となりました。

ツイッター社は現地時間8月11日、自らのツイートにリプライできる相手を3段階で制限する機能を全ユーザーに対して正式にリリースしました。

この機能はツイート作成時、左下の「すべてのアカウントが返信できます」というテキストをタップすることで利用可能。

リプライ可能なアカウントを「全員」「フォローしているアカウント」「@ツイートしたアカウントのみ」から選択できます。

「フォローしているアカウント」を選ぶと、自分がフォローしている相手とツイート内で「@ツイートしたアカウント」がリプライ可能に。

また「@ツイートしたアカウントのみ」を選んだ場合は、ツイート内で@付きで言及したアカウントのみがリプライ可能となります。ちなみにこの設定で誰のアカウントにも言及しない場合は誰もリプライできなくなります。

この機能はネット上ではすでに「クソリプ防止機能」と呼ばれてトレンド入り。歓迎する声もありますが、それ以上に懸念が示されています。いったいどんなものでしょうか。

◆誰にも指摘されずデマが流し放題に
もっとも大きな懸念はデマの拡散です。これまでもツイッター発のデマは数えきれないほど存在し、逮捕者が出たことも何度もあります。

悪意のない、勘違いなどから生じたデマについては事実を知る人がリプライ欄で指摘することで削除や訂正、説明が行われることもありましたが、「クソリプ防止機能」を使っているとこうした指摘ができなくなることに。

そして悪意を持って扇情的なデマを流したい人にとっては、この「クソリプ防止機能」によってリプライ欄でのデマ指摘が不可能となるため、思う存分デマを拡散できることになってしまいます。

そもそもデマはファクトチェックよりも常に早いスピードで拡散することが繰り返し指摘されてきましたが、この速度差がさらに大きくなることは間違いありません。

例えば、一国の大統領が「消毒液を飲むと新型コロナを倒せる」とつぶやいて、システム的に誰もデマを指摘できない事態となったらどれだけ危険かを考えてみるとよいかもしれません。

なお、どの設定にしていても引用リツイートは可能なため、これによってデマの指摘なり議論をすることは可能ですが、第三者からは極めて流れを追いにくくなるため、ツイッター上でのやりとりの把握が難しくなる可能性もあります。

◆鍵付きアカウントではいけなかったのか
Facebookでは自らの投稿を誰に見せるのかで返信可能な相手を制限することが可能となっており、家族や同僚、友人などの誰と投稿を共有するかを選ぶことが可能です。

ツイッターでも設定から「ツイートを非公開にする」を選択するとフォロワーだけがツイートを閲覧できる「鍵付き」と呼ばれる状態にすることができます。

実際にツイッターを仲間内とのやりとりをメインに使っている人はこの機能を用いており、知らないアカウントからツイートを見られたりリプライされることもありません。

今回の「クソリプ防止機能」は自分のつぶやきたいことは全世界に向けて発信したいけれど、知らない人からあれこれ言われたくないという、「言いたい放題」を可能とするもの。

政治家や企業、公的機関も大々的に使用するSNSの仕様としてこの機能が適切か、今後問われることになりそうです。

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