なかば都市伝説のように語られていましたが、少なからず一定の根拠はあることになります。とはいえ一喜一憂は悪手と言えそうです。詳細は以下から。
遺伝子検査サービスで知られるアメリカ合衆国のバイオテック企業23andMe社が6月から4か月に及んだ遺伝学的研究によると、ABO血液型でO型の人は他の血液型よりも新型コロナへの感染リスクが低いとのことです。
この論文は現時点では査読前のプレプリントですが、現在のパンデミックという状況を鑑み、ワクチン開発などの対策のため、世界中の研究者が参考にできるよう公開されています。
この調査は10万人の新型コロナ患者の遺伝子情報をもとに、さらなる広範なデータセットを組み込んだうえで行われたもの。
この調査では血液型による感染しやすさの違いだけでなく、重症化リスクについても解析。また以前から指摘されていた黒人やラテン系の感染リスクの高さについても遺伝子学的に結果を出しています。
調査では、O型の人は他の血液型よりも9~18%感染リスクが低くなっており、ウイルスに曝露されやすい医療関係者や新型コロナと最前線で戦う人々の間ではその数値は13~26%と顕著になっています。
これはO型の人が持つ抗体が原因と考えられるとのこと。A型の人は抗B抗体を、B型の人は抗A抗体を血液の中に持っていますが、O型は抗Aと抗Bの両方の抗体を持っています。
これまでの研究で、抗A抗体がウイルスが細胞にとりつくのを抑制し、場合によってはブロックできることが示されています。
以前の研究ではA型の人の感染リスクが高いことも示されており、こうした理由によるものと考えるとつじつまはあいます。
またこの研究では、黒人とラテン系の感染リスクが高いことも示されました。入院した黒人患者の数は白人の2倍にも及んでおあり、性別や収入、健康状態などを加味して調整しても8割多い結果に。ラテン系も白人より有意に多くなっていました。
人種や民族で感染リスクが違うことは、アジアでの感染拡大が欧米などに比べて比較的押さえられていることを考えても十分にあり得ること。
とはいえ、感染リスクが多少上下したとしても感染する時はするので、A型が悲観的になる必要もなければO型が気を緩めていいという話でもありません。
当然年齢や既往歴などでも感染リスクは大きく変わるもの。これからやってくる風邪の季節にしっかり備えておく必要があります。
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