ランナーに人気のネックゲイター、なんと「飛沫が増えるマスク」だった……新型コロナウイルスを撒き散らしまくるので着けないほうがマシです


とりあえず口元を覆ってさえいればいいという話ではありません。下手をすれば逆効果です。詳細は以下から。

新型コロナウイルスのパンデミックに伴い、着用が当たり前となっているのがマスク。このマスクは自分の感染防止というよりも、飛沫を飛び散らさないようにすることで「他人に感染させるのを防ぐ」ためのものです。

新型コロナは感染しても無症状のケースもままあるため、まったく自覚症状がなくても他人に感染させる可能性があるため、人の多いところや屋内施設などでの着用は極めて重要です。

ですがマスクによってその効果はまちまちなのはアベノマスク騒動の中でも指摘され、誰もが知るところ。驚くべきことに、「つけていないよりもウイルスを撒き散らしてしまう」というケースもあることが分かりました。

デューク大学の研究者らはマスクの種類によって、呼気がどの程度飛沫を撒き散らすのを防ぐことができるのかを比較する研究をジャーナルScience Advancesに報告しました。

研究ではサージカルマスクやN95マスクから各種布マスク、バンダナやネックゲイターなどの代替マスク14種類を比較。実験ではそれぞれのマスクを着用して10秒で「Stay healthy, people」と5回喋ってもらい、その後20秒間の飛沫の数を光学的に記録。それぞれについて10回ずつ計測を行って平均を出しています。

使ったマスクは以下のとおり。カッコ内は研究での名称で、実験結果グラフに対応しています。自分が愛用しているものがあったらチェックしてみてください。

1.サージカル3層マスク(Surgical)
2.バルブ付きN95マスク(Valved N95)
3.ニットマスク(Knitted)
4.ポリプロピレン2層マスク(PolyProp)
5.コットン・ポリプロピレンマスク(Poly/Cotton)
6.「Maxima AT」マスク(MaxAT)
7.Pleated Styleコットン2層マスク(Cotton2)
8.Olson styleコットン2層マスク(Cotton4)
9.Pleated Styleコットン2層マスク(Cotton3)
10.Pleated Styleコットン1層マスク(Cotton1)
11.ネックゲイター(Fleece)
12.2層バンダナ(Bandana)
13.Pleated Styleコットン2層マスク(Cotton5)
14.バルブなしN95マスク(Fitted N95)

(クリックで拡大)

その実験結果がこちら。

サージカルマスク(青)、2層コットンマスク(オレンジ)、バンダナ(赤)、マスクなし(緑)での飛沫数の比較。左が時間当たりの飛沫数、右が飛沫の総数です。

もっとも飛び散った飛沫が少なかったのは14の医療現場でも使われるN95マスク。対照実験のマスクなしの場合と比べて0.1%にまで押さえ込めています。

一方で最悪だったのはストレッチ素材のネックゲイター。なんとマスクなしの場合の110%となっています。いったいどういうことでしょうか?

研究者らは飛沫がネックゲイターを通してより小さな飛沫になって飛び散るため、マスクなしの場合よりも飛沫の数が増えたと指摘。そして小さな飛沫は大きな飛沫よりもより長時間空気中を浮遊し続けるため、かえって感染可能性を増やす結果になると警告しています。

マスク代わりにネックゲイターを着用してジョギングしている人は少なからず見られましたが、マスクなし以上にウイルスをばら撒いている可能性があることに。屋外ならばひと気がなければまだしも、ジムなどの屋内の運動施設でのネックゲイター着用は完全に逆効果となります。

それ以外でも、手作りマスクを着用している人は素材や形状と合わせて自どの程度飛沫を防げているのか確認してみるとよさそうです。やはりコットンだけでは効果が弱く、ポリプロピレン樹脂を使ったものの効果は高め。

手作りマスクにポケットを作ってそこに洗ったサージカルマスクの布部分を入れるといった工夫も提案されていましたが、秋冬に向けてこうしたひと工夫が重要になってもきそうです。

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