「BALMUDA Phone」発表、どこにも直線のない4.9インチのコンパクト5Gスマホ


デザイン家電メーカーとして大きな支持を得るバルミューダがいよいよスマホ業界に参入。直線のない小型の5Gスマホ「BALMUDA Phone」が正式発表されました。詳細は以下から。

◆BALMUDA Phoneが発表に
バルミューダが、4.9インチフルHDディスプレイ搭載の5G対応Android 11スマホ「BALMUDA Phone」を発表しました。

CPUにはSnapdragon 765、また6GBメモリ、128ストレージを搭載。メインカメラは4800万画素で、指紋センサー、FeliCa、ワイヤレス充電にも対応しています。バッテリーは2500mAhで生活防水のIPX4・IP4Xも取得。

11月26日(金)ソフトバンクから独占販売となり、17日より予約開始となります。加えてSIMフリー版も10万4800円で発売され、こちらはバルミューダのオンラインストアで17日(水)10時から予約開始。旗艦店の「BALMUDA The Store Aoyama」でも19日(金)11時のグランドオープンと同時に予約できます。

◆発表会の様子
発表会の登壇者はバルミューダ株式会社の寺尾玄代表取締役社長。またゲストとしてバルミューダスマホを国内で独占販売するソフトバンクから菅野圭吾常務執行役員が登場しました。

バルミューダは2003年、寺尾玄氏がひとりで、自宅で創業。初年度の年商は600万円でした。

それから18年と半年、今期の業績予測は180億円と3000倍になった。

2010年に家電シリーズ最初の「GreenFan」を発売。その前年にはリーマンショックの煽りも受けて倒産寸前に。どうせつぶれるならやりたかった開発をやって前に倒れようと思って、この扇風機を製品化してヒット商品となった。

その後空調商品などの季節商品を開発したが、売り残しが在庫になると翌年まで待たなければならないという問題があった。そこから毎日売れる商品としてトースター「The Toaster」を2015年に発売。

スチームを使った完璧な温度制御で毎日のトーストが「世界最高のトースト」になるとして大ヒット商品になり、現在も主力商品。

その後もキッチン商品のシリーズをリリースし続けてきました。

もはや家電メーカーと呼ばれるまでになり、東証マザーズ市場に上場。

寺尾氏は20代のすべてをロックスターになるためミュージシャンとして活動してきました。ポケットには1000円あればいい方、という日々。

バンドのリハーサルの行き帰りに電車の中で読んだ本の中で、特に心を貫かれたのは「シリコンバレーの巨人たち」という本(絶版)でした。

これはアーパネットがインターネットに進化し、アラン・Kがパーソナルコンピューターという概念を提唱し、スティーブ・ジョブズがアタリという会社でアルバイトをしていた頃の物語。当時の彼らはキラキラした現場だったのだろうとうらやましく思った。

ロックスターは残念ながら諦めた寺尾氏は、ものづくりと自分のクリエイティビティをひも付けようとしてバルミューダを作り、最初の商品としてノートパソコンの冷却台を作った。

デザインを勉強し、CADを勉強し、町工場を巡って加工方法を徐々に覚えていった。自分でデザインして設計し、作った部品をメッキ屋に持ち込んで表面処理をしてもらって持ち帰り、自宅の机の上で1台ずつ組み立てる。箱屋で箱を仕入れてウェブサイトを作り写真を撮って、それを独りで始めた。この写真は自宅で小さいデジカメでこたつの天板に載せて撮り、覚えたてのフォトショップで加工した。

それから18年のストーリーが始まり、多くの時間を危機対応に使ってきた。20年に初めて「この会社つぶれないんじゃないか」と思って、やりたいことをやることにした。

いつも人とは違う、好きなことをやってきたが、一番作りたかったのはPCだった。創業前からの自分の気持ちを思いだした時にはPCは手のひらサイズになっていた。

「BALMUDA Phone」は大きさが違い、デザインが違い、中身が違う。

スマホを作ったモチベーションのひとつは、今のスマホがあまりに画一的になっていること。人類が総出で使っている道具なのにあまりに種類が用意されていない。もうひとつは毎年画面がどんどん大きくなっている。最初のiPhoneは3インチ台だが、今は6インチと2倍以上になっている。

「スマホがスマートになったぶん、私たちはスマートになったんだろうか」という疑問。すてきないい人生を送るために私たちは生まれてきて、その補助道具がPCであり、現代ならスマホだと考える。そんな私たちが考えた、すっきりとよりよい体験ができるスマホがこの「BALMUDA Phone」。

BALMUDA Phoneは4.9インチフルHDディスプレイ搭載のコンパクトな5G対応Android 11スマホ。CPUにはSnapdragon 765、6GBメモリ、128ストレージを搭載し、メインカメラは4800万画素。電源ボタンを兼ねた指紋センサーを備え、FeliCa、ワイヤレス充電にも対応しています。バッテリーは2500mAhで生活防水のIPX4・IP4Xを取得。

カラーバリエーションはブラックとホワイト。

寺尾氏によるとホワイトの出来がかなりよいとのこと。

開発の中で最初にしたのは最良の大きさの探索。

0.1インチ刻みで様々なデザインモックをつくり、最適だと思ったサイズは4.8インチ。しかし開発を続ける中で、どうしても部品が入らず4.9インチになった。

寺尾氏が19年ぶりに復帰して自分で線を書いた。私たち人類の道具のほとんどは直線と円の組み合わせになっている。これは量産に使える生産技術で作りやすいからだろう。だが私たち人類の体には直線の部分はなく、歴史的にもオーガニックな形状の道具を使ってきた。様々な道具はやがて有機的な流線的な形になってくると考えている。

今回思い描いたのは背面。1日50回から100回触るスマホだからこそ、持ちやすくあるべき。力を抜いた手には直線部分はなく、携帯の端末はそれに合わせたオーガニックな形になっているべきと考えた。

しかしガラス面は現在簡単に曲げられないため、この水平面とオーガニックな形を小さな形にまとめるのかを1年半やってきた。どこにも直線のない唯一のスマホになった。

京セラが設計や生産を担ってくれて、作業とディスカッションを重ねてきて実現となった。

背面はざらついた仕上げになっている。目指したのは河原に落ちている石。

買った時にピカピカなのに使っていくと劣化していく。BALMUDA Phoneは使っていくと味の出てくる革製品や木材、デニムなどを参考に特殊な仕掛けを施した。1年使っていくと味が出てくるようになっており、この技術は特許出願中。

中身の違いとして、独自アプリ「BALMUDA App」を多数開発した。スマホ体験で非常に重要なのは普段使いのアプリと考えて造り直した。

まずは「スケジューラー」。

縦軸が日にち、横軸が時間で、ピンチ操作で表示する期間も簡単に変えられる。そのため先の予定などもさっと調べられる。

次は「メモ」。

無限に表示できるトレーの上にメモを自由に配置できる。直感的に場所を移動したり、ラベルを貼り替えたりして種類ごとにまとめられる。

さらに「時計」。

目覚ましも数字をさっと入れられ、直感的に使えるように調整した。

ロックスターを目指していただけに音にもこだわった。

以前からつきあいのあるミュージシャンと50曲の音すべてを作っている。電車の中で鳴っても怒られない音を目指した。

そして大人の「計算機」。

欧米式の3桁で変わるカンマを…。

日本でもおなじみの4桁ごとのカンマに一発で変更可能。

また現在の数字を他の通貨に変換できる為替計算機能も。

カメラにはキッチン家電メーカーらしく、シズル感のある食べ物写真が簡単に撮れる「フードモード」を搭載。バルミューダのキッチンチームの積み重ねたパラメータに関するノウハウをフル投入しています。

ホーム画面も大きなこだわり。それぞれのツールが配置されている。ストライプはカメラや地図の起動などを割り当てられるショートカットになっている。

ホーム画面は背景色やストライプなどを自分の好みの色合いにパーソナライズできる。

個性というのは非常に重要だと考えており、私の空間、時間、思い出は共有できない。スマホはとてもパーソナルな道具だと思う。他人とは共有できない。

とても個人的な道具だがみんなと同じようなものを使っている。まるで校庭に整列している生徒のようになっていないか?

きちんとしろと言われると飛び出したくなるのがバルミューダ。整列できないのがバルミューダだ。

BALMUDA Phoneは国内ではソフトバンクから独占販売される。

ゲストのソフトバンク、菅野圭吾常務執行役員が登場。

最初に会った時、デザイナーみたいな人が来るかと思ったらロックンローラーだったとのこと。寺尾氏は菅野氏のチームと会って「この会社に決まっちゃったかもしれない」と相性のよさを感じた。

11月26日(金)ソフトバンクから独占販売となり、17日より予約開始となることも発表。

最初は4Gで出る予定だったところ、菅野氏に「絶対に5Gにしてください。これは譲れません」と言われた。とてもいい助言だった。これからも列からはみ出る者同士でいろいろなものを作っていきたい。

SIMフリー版も10万4800円(税込)で発売され、バルミューダのオンラインストアで11月17日(水)10時から予約開始です。

SIMフリー版は旗艦店の「BALMUDA The Store Aoyama」でも、11月19日(金)11時のグランドオープンと同時に予約できます。その他のバルミューダのブランドショップでも購入可能。

BALMUDA Phoneのアクセサリも登場。シンプルなスマホケースやディスプレイ用の保護ガラス、ACアダプタなど。

BALMUDA Phoneの次のデバイスのデザインや開発も始まっており、スマホと呼ばれないもののデザインも始まっている。それ以上にアプリの可能性の深さ、大きさを強く感じた。よいアプリがあれば同じデバイスでもまったく違うものになる。今後も独自アプリを開発していく。なお独自のBALMUDA AppはBALMUDA Phoneでしか使えない。

IT機器やサービスの開発はポップソングのような家電と違う。バルミューダテクノロジーズはロックミュージックだ。少しうるさくないと目立たないし、やってることさえ気付いてもらえないだろう。だが根本はまったく同じで「体験のバルミューダ」だ。卓越した創意工夫と最良の科学技術で新しい体験価値を生み出し人々の役に立つという思いでふたつのブランドをやっていく。

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