電波ではなくLEDのレーザー光を使った次世代の無線通信方法「Li-Fi」を京セラが開発しました。
おうちの照明を対応製品に変えるだけで、電磁波や電波障害の影響もなく高セキュリティな超高速通信を楽しめます。詳細は以下から。
「ワイヤレスジャパン2023」の京セラブース。
レーザー光による次世代通信「Li-Fi」の展示が行われていました。
Li-Fiは電波ではなく光をつかった無線通信技術で、独自開発のLEDライト「LaserLight SMD」により25Gbpsもの高速通信を実現しました。一般的な家庭用光ファイバーの通信速度が1Gbpsほどであることを考えると、ものすごい速度です。
また、窒化ガリウム(GaN)を使用した青色レーザーデバイスも実際に展示されていました。
デモンストレーションでは、タブレットのカメラで撮影した映像を光無線機器から受信機にストリーミング伝送し、ディスプレイに表示しています。
これがLaserLight SMDの実物。microSDカードよりも小さく、チップのような形状です。
一般的なLEDライトの100倍の輝度を持ち、光も拡散しづらいため正確に照射できます。
海外の自動車メーカー、BMWのヘッドランプにも京セラの高輝度白色LaserLightが採用されているとのこと。
光が届く範囲でしかネットワークに繋がらないものの、壁の向こうからのアクセスを防げる特性もあるため自宅やオフィス、研究施設などプライバシーが求められる場所に最適です。
通常の電灯をLi-Fi対応のLEDライトに変えるだけで通信できるため、街灯をはじめ車や飛行機などの照明が通信機能を担えるほか、電波の影響を抑えたい病院や診療所、政府施設などでも活躍できます。
また、長距離照射により自動運転やドローンで遠くにあるものを感知したり、青色レーザーを使うことで水中でも長距離通信ができるようになるとのこと。
まだ実用化には至っていないとしていますが、LaserLight Li-Fiによってあらゆる場所で情報が超高速でつながっていく未来が望めそうです。
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