「逆転裁判」の生みの親・巧舟さんが開発を指揮、「レイトン教授VS逆転裁判」のデモプレイをレポート


昨日行われた逆転裁判シリーズ10周年特別イベント「逆転裁判10周年 特別法廷」では「逆転裁判5」開発決定のニュースをはじめ、様々な発表がありました。中でも「レイトン教授VS逆転裁判」について初公開の情報が多く、しかも開発を主導しているのは逆転裁判の生みの親・巧舟さんであることが判明。舞台上でご本人によるプレゼンテーションが行われたので、その贅沢な一幕と新システムについてレポートします。



■新システム「群衆裁判」
現状、一番新しい情報は「レイトン教授VS逆転裁判公式サイト」で視聴可能な「TGS2011」のトレーラー。これは2011年10月に公開されたものなので、実に3ヶ月ぶりの新情報解禁になります。

これまでの「逆転裁判」シリーズでは、法廷で1人の被告あるいは証人に対し、弁護側としてゆさぶりをかけたり、証拠品をつきつけたりして証言の「ムジュン」をあばくシステムでした。今回導入される「群衆裁判」は、証人が複数名登場して、彼ら全員を一度に相手にするという、ある種正当進化したシステムといえるもの。TGS2011のトレーラーでも触れられていましたが、その解説がイベントで行われました。

証言は1人1言ずつで左から順番に喋って行くので、一見すると従来の尋問と変わりないように見えます。しかし複数人の証人は互いの証言を聞いていて、Aの人物の発言の内容によってBの人物の態度が変化するといったような現象が起こります。証人や被告人のしぐさの怪しさを指摘し証言を突き崩す、逆転裁判4の「みぬく」システムに少し似ているかもしれません。

システムの進化に感心したのもつかの間、証人の不審な様子を指摘する際に表示される逆転裁判名物のフキダシに「ちょっと!」というニューフェイスが登場。ラビリンスシティというファンタジックな舞台であるとはいえ、裁きの場で発するには若干ラフすぎるフレーズに、会場からは万雷の拍手と笑いが巻き起こります。

逆転裁判シリーズでは、キャラの声部分は声優さんではなくスタッフが担当するのが伝統。成歩堂龍一のシャウトを担当していた巧舟さんが「ちょっと!」と言うたびに会場はざわつきます。

残念ながら、「レイトン教授VS逆転裁判」では、キャラの声は劇場版「逆転裁判」の俳優陣が担当することが決定しているため、巧さん、すなわち本家なるほど君のシャウトが聴けるのはこのイベント上のみとなりそう。劇場版とのコラボというのも分からないではないですが、ファンとしては巧さんの「ちょっと!」や「異議あり!」でプレイしたかったな、という本音もあります。

このソフトに限らず、3DSの立体視には賛否両論あります。しかしながらこの作品の真宵ちゃんの動きや表情が非常に可愛らしく、まさに逆転裁判シリーズの2Dの絵柄やモーションをそのまま立体にした感じで、個人的には「立体で見たい」と感じました。5分くらい会話を進めずにループするモーションを眺めていたいと思うくらいには可愛かったので、真宵ちゃんファンにとっては確実に買いと言えます。
レイトン教授VS逆転裁判公式サイトより

逆転裁判1~3で見せる、なるほど君の冷や汗モーションもこの通りの再現。
レイトン教授VS逆転裁判公式サイトより

ちなみに、デモプレイに登場する検事的存在のこの人は、検察士の「ジーケン」。このネーミングセンスからも、逆転裁判シリーズらしさが見て取れます。
レイトン教授VS逆転裁判公式サイトより

■開発主導は巧さん、現状はレイトン要素すくなめ?

レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博さんによると、このゲームの開発はカプコン・レベルファイブが共同で行っているものの、巧さん主導で進めているところが大きいとのこと。

そのためか、「現状、レイトン要素が少なめ」という気になるコメントもありました。ただ、このお披露目の場はあくまで逆転裁判10周年のイベントだったため、レイトン教授側の出演が少なかっただけかもしれません。発売日については、日野さんが「巧さん次第ですが、2012年内には出る」とのことだったので、今後の続報が待たれます。

■イベントで一番印象的だったシーン

アニソンの帝王・水木一郎さんが(ほぼ)トノサマンのテーマを歌うためだけに登場。出演することは事前に分かっていたのですが、まさか舞台中央から扇で顔を隠しつつせり上がってくるとは思わず、完全に意表を突かれました。あまりに堂に入った佇まい、そして安定の歌唱力にはすっかり心を奪われ、「(良い意味で)水木一郎の無駄遣いだ」と思うくらいに感動しました。

しかも水木さんいわく「『逆転裁判』シリーズのファンで、イベントがあったらぜひ呼んでほしいと頼んでいたんです」とのことで、逆オファーから生まれたコラボに会場はおおいに盛り上がっていました。

「特別法廷」はこれまでに何度も開催されていて、新作ソフトの特典としてDVD化されたこともあります。ぜひ水木一郎アニキの絶唱を収録した映像特典を「レイトン教授VS逆転裁判」につけてほしいものです。「特別法廷」につきもののフルボイスでのなるほど君・ミツルギ・真宵ちゃん・そしてサイバンチョのやりとりもファンの期待を一切裏切らない軽妙な出来だったので、ぜひ会場に来られなかったファン達の目にも触れる形でソフト化してほしいです。

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