THE BOHEMIANS初の全国ワンマン・ツアー「Is this pop? Tour 2012」、セミ・ファイナル公演超詳細ライブレポート

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日本を代表するロック・フェスRISING SUN ROCK FESTIVALへの初出演に加え、秋には東京・恵比寿LIQUID ROOMや大阪・梅田CLUB QUATTROなどでワンマン・ツアーを行うなど、確実にロックシーンの中で存在感が増してきているTHE BOHEMIANS(ザ・ボヘミアンズ)。メジャー2ndアルバム『THIS IS POP !!!』のバラエティ豊かな曲たちをファンの前でたっぷりと披露し、熱狂のうちに各地の夜をロックンロール一色に染め上げた初の全国ワンマン・ツアー『Is this pop? Tour 2012』のセミ・ファイナル公演となった2012年6月1日大阪・梅田シャングリラでのライブを詳細にレポートします。

THE BOHEMIANS Official Website

会場となった大阪・梅田シャングリラに到着。このライブハウスは壁の色や幕など全体的に赤と黒を基調としており、ボヘミアンズのテーマカラーである「赤×黒×白」とピッタリです。



会場内に入ると、ボーカルの平田ぱんだにそっくりな髪型をした男女や、真っ赤なジャケットを着て目の周りを真っ黒にメイクアップした男女、更にはギターのビートりょうのようなポリス帽を被った女子などが沢山いてワンマン・ライブならではの雰囲気が漂っています。それ以外のお客さんも今回のツアーで売られているツアーTシャツを着ていたり、インディーズ時代や前作『憧れられたい』のツアーTシャツを着こむなど気合は十分。これから始まるライブを前にした高揚感が渦巻いていました。その気持ちを煽るかのように、平田ぱんだが直々にセレクトした名曲の数々(ノーナ・リーヴス feat.YOU THE ROCK★“DJ!DJ!~とどかぬ想い~”やTHE HOUSTONS“呼んでくれ”、The collectors“30”など)が流れています。
The collectors 30 - YouTube


開演時間の19時を少々過ぎた頃に照明が落ちて、THE BOHEMIANSの登場SEであるパティ・ペイジ“I Don't Care If The Sun Don't Shine”が流れ出し、艶っぽい雰囲気の中をメンバーが颯爽と登場。ひと呼吸置いてから平田ぱんだが現れて一気にステージが明るくなり、割れんばかりの歓声に包まれながら熱狂のライブがスタートしました。
Patti Page - I Don't Care If The Sun Don't Shine - YouTube


◆ライブの序盤
一曲目はメジャーデビュー・アルバム『憧れられたい』のリード曲となった“THE ROBELETS”。平田ぱんだは歌詞を変え「大阪の夜は僕のもの」と歌うなどこなれた様子で、数々のライブを乗り越えてきたワンマン・ツアーの経験がうかがえます。コーラスでは楽器隊と一緒になって観客が大声でシャウトし、1曲目にして盛り上がりは最高潮に。


続けざまに『憧れられたい』から疾走感あふれる“夢と理想のフェスティバルに行きたい”へとなだれ込み、曲間に一言だけのMCを入れつつ2ndアルバムから“シーナ・イズ・ア・シーナ”とアッパーなナンバーを連発します。途切れることのない黄色い声、そして時折聴こえる野太い声援。どこを見ても満面の笑顔、笑顔、笑顔。


ドラムのチバ・オライリー(と無法の世界)a.k.a ジャンやベースの星川ドントレットミーダウンがリズムをキープする中、ぱんだは「大阪」を連呼するMCで観客を煽りまくり新作からピアノのリフが軽快な“私のR・A・D・I・O”へ。曲の後半では星川が「Don't stop the radio」とコーラスを始めますが、平田ぱんだは「英語だとよくわからないから」として直訳の「止めないでラジオ」と歌って観客の歌声を誘い、華麗にクルクルとターンしながら汗を撒き散らします。そして会場が一体となった手拍子で熱気が増していく中をラモーンズさながらの「1、2、3、4!」の掛け声から“太陽観覧者”を披露。ビートりょうが歌うパートでは彼にスポットライトが当たっていました。


続く「ジーン・ヴィンセントのTシャツ」ではぱんだが自分の着ているジーン・ヴィンセントTシャツの顔を妖艶になぞるなど、サービス満点です。「ここでは『ジーン・ヴィンセントのTシャツ』って歌わなきゃダメさ!”とのMCにオーディエンスは即座に反応し大合唱。実にボヘミアンズらしい、頭が空っぽなロック馬鹿になれるとっておきの楽しい瞬間で、間違いなく前半のハイライトだと感じました。


◆中盤
立て続けにアッパーな曲を連発して会場を暖めた後は長めのMCタイム。この日を待ちわびていたファンたちが各々にメンバーの名前を叫ぶなど歓声は途切れません。平田ぱんだが大阪への愛情やこれまでのツアーの様子を語った後、「メロディアスな曲を聴いてください」と新作から“goodbye”“Get back my guitar”の2曲をマイクスタンドを使って歌い出します。演奏が終わるとぱんだは珍しくギターを手に取り(アンコール以外のステージで持つのは恐らく3年ぶりくらいでは?)、“ハイパーデストロイでクラッシュマグナムなベイビージェットよいつまでも”から“愛しのマリーナ”。こうやって手を変え品を変えることで(メンツは変えていませんが)長時間のワンマン・ライブでも全く観客を飽きさせません。


続くMCではTHE HIGH-LOWSの“ロックンロール黄金時代”のイントロを模した掛け合いをして遊び、「大阪でワンマン・ライブができるなんて微塵も思ってなかったあの頃を思い出す曲」とミドルテンポのナンバー“THE BIKE”と“THE LENS”を続けて演奏します。しんみりとした雰囲気の中、スポットライトを浴びるキーボードの本間ドミノ先生によるピアノソロがあり、再度MCへ。「こんなドラマチックな演出は性に合わない、俺たちがやりたいのはロックンロール!!」と『THIS IS POP !!!』のリード曲“恋はスウィンギン・イン・ザ・レイン”とインディーズ時代の人気曲“ダーティーリバティーベイビープリーズ”でもう一度フロアを熱狂の渦に叩き込みます。そのままドラムと手拍子に合わせて巧みなコール&レスポンスを始め、合間にMr.Children“イノセントワールド”(!)のサビを挟み、なぜかボヘミアンズのライブ会場でミスチルの合唱が響き渡る事態に。とはいえ、この辺りのバランス感覚やユーモアがボヘミアンズの魅力でもあります。


◆後半
コール&レスポンスでひとしきり盛り上がった後にバンドを代表する名曲“おぉ!スザンナ”のイントロのドラムロールが始まり、それに乗せてメンバーを紹介。平田ぱんだが「愛するメンバーの事となるとグダグダグダグダ続けてしまうが飽きずに聞いてくれよ、名前を呼んだらデカい声をかけてくれ!」「ドコドコ野郎、激甘貴公子、チバ・オライリー(と無法の世界)a.k.a ジャン!」と紹介し、続いて星川が声を振り絞りながら「オーイエー!って言ったら返してくれよ、オーイエー!!」とコール&レスポンス。これまではどちらかと言うとクールなイメージがあった星川も今回のツアーではホットな側面を出してきました。



そしてぱんだが本間に近寄ると声真似をしながら「『俺、ロックンロール・バンドにはピアノが入ってないとダメなんだよね』が口癖のロックンロール原理主義者、本間ドミノ先生!」と紹介をしながらダンス。そのまま勿体ぶった素振りをしながら「ついにこの男の紹介に辿り着いちまった……」「こんな風に、出会ったその日に目の前でギターをかまされて、ロックンロール・バンドなんかを毎日やってるダメな大人になっちまった……」と喋ります。そしてメロディーに乗せながら「でも後悔なんて一度もしたこと無いぜ、こいつといるといつも興奮状態でよく覚えちゃいねえから」「ついに紹介する、ギター&ミスター・ボヘミアンズ、ビート……ビート……、ビート何だっけ?」。この問いかけに観客は大声で何度も「りょう!!」と叫び返しました。「そうでした、ビートりょう!!」とぱんだがメンバーを紹介し終えようとすると、遮るようにしてビートりょうが「ボヘミアンズは4人じゃねえぜ、知ってた?もう一人大事なメンバーがいるんだぜ」とMC。平田ぱんだが「どこにそんな奴がいるの?」とでも言うかのようにわざとらしくキョロキョロしているのをよそに、ビートりょうは「奴が本当のミスター・ボヘミアンズ、日本一のナスの漬物、ボヘミアンズ最大のボーカリスト、その名も平田~~~~ぱんだ!」と紹介しました。

愛情あふれるメンバー紹介で会場が最高潮に盛り上がる中を“おぉ!スザンナ”のギターリフが鳴り響き、ライブはクライマックスへ。「何もかも忘れたよ」という歌詞に引っ掛けて「歌詞すら忘れたから歌ってくれ!」と叫ぶぱんだに応えて会場中がサビを大合唱です。そして最後の曲は、バンドが地元・山形にいた頃からいつもライブのラストを飾っているアンセム“ロックンロール”。イントロのピアノを弾く本間にぱんだが上着を被せたり水を飲ませたりして観客を笑わせ、「このイントロが流れたら終わりと相場は決まっております。いつも以上に楽しいワンマンのままラストソングに辿り着かせてくれてありがとうございました」と感謝を述べました。「いつも通りこの歌を歌って踊って終わりましょう、ロックンロール」と平田ぱんだが言い終わると同時にビートりょうが歌い出し、それに合わせて観客も声を振り絞って合唱します。間奏ではぱんだとビートりょうが濃厚なキスをして黄色い悲鳴が飛び交い、既に会場内は半狂乱状態。バンドメンバーも観客も「ロックンロール!」と好き放題に叫びまくり、台風のようなエンディングを迎えて本編が終了しました。


◆アンコール
メンバーがステージを去った後、すかさず観客から「最初から!」とアンコールを求める声が上がります。数分間コールが続いたところに突然平田ぱんだの声が響き「しーん……しーん……、あれ、まだそこにいるの?もうプログラムは全て終了しました。お気をつけてお帰りください……」と、『THIS IS POP !!!』のシークレット・トラックを模した演出がなされました。これに応えるかのように会場から“ロックンロール”の合唱が始まり「信じてるのはロックンロールだけさ」と歌い上げ、そこへぱんだが「うれしー……、あれ、まだそこにいるのかい?終わりだって言ったのに……仕方がねえなあ……、仕方がねえなあ……」と返すうちに、メンバーが登場。「やるよ、やってやるぜ……、それでは聴いてください、ロックンロールショー!」と言ってアンコール1曲目、パンク・ナンバーの“ロックンロールショー”が始まりました。


そして勢いをそのままに「いい思い出ができました。泣いても笑ってもこれで最後、踊り狂ってください、Baby, that's rock'n'roll!」と、ライブの定番となったThe Coastersの日本語カバー“Baby, that's rock'n'roll”を披露。


演奏が終わるとEdison Lighthouseの“Love Grows”をバックにメンバーがステージ前方に勢ぞろいして「楽しかったです、また会いましょう大阪」「また来てください、それしか言うことありません」「最後に一発いきましょうか、オーイエー!」とそれぞれに挨拶をしますが、平田ぱんだは「俺を見ればわかるだろう、出し尽くした、大阪に出し尽くされたよ。……何だか皆さんの顔を見ていたらあと一曲ぐらいやりたくなった」と喋り、大きな歓声と拍手が上がります。「仕方がねえなあ、仕方がねえなあ。やるよ、やってやるよ。進んでやるのは初めてだよ大阪、ラストナンバー聴いてください、明るい村」。この日、本当に最後の曲はインディーズ時代のアルバム『I WAS JAPANESE KINKS』に収録されているロマンチックな“明るい村”でした。演奏後は会場全体が「いっせーのー」でジャンプをして終了。再度、Edison Lighthouseの“Love Grows”が流れる中、メンバーがステージ前方に勢ぞろいして大団円です。THE BOHEMIANS初の全国ワンマン・ツアー『Is this pop? Tour 2012』のセミ・ファイナル公演が幕を閉じました。


◆2012年6月1日大阪・梅田シャングリラのセットリスト
01:THE ROBELETS
02:夢と理想のフェスティバルに行きたい
03:シーナ・イズ・ア・シーナ
04:私のR・A・D・I・O
05:太陽観覧者
06:ジーン・ヴィンセントのTシャツ
--- MC ---
07:goodbye
08:Get back my guitar
09:ハイパーデストロイでクラッシュマグナムなベイビージェットよいつまでも
10:愛しのマリーナ
11:THE BIKE
12:THE LENS
--- piano solo ---
13:恋はスウィンギン・イン・ザ・レイン
14:ダーティーリバティーベイビープリーズ
15:おぉ!スザンナ
16:ロックンロール

En-1:ロックンロールショー
En-2:Baby, that's rock'n'roll
En-3:明るい村

◆急激にライブが上手くなっているTHE BOHEMIANS
筆者はインディーズ時代から何度もボヘミアンズのライブを見ているのですが、メジャーデビュー以降に急激な勢いでライブが上手になっていると感じています。成長のポイントは「MC」と「ライブ全体の構成力」です。昔のライブでは、決して饒舌なタイプではない平田ぱんだのMCによってライブの勢いを殺してしまっていた場面も何度かありましたが、今では逆にMCによって観客をヒートアップさせています。会場中がどうしてもひと呼吸置くことになる長めのMCの間でも、ライブの盛り上がりを上手に保てている日本のバンドはあまり見かけません。しかし、平田ぱんだは時にメロディーに乗せながらミュージカル調に語ったり、他のメンバーの見せ場を作ったりと工夫をしながら観客を飽きさせずにテンションを上げさせる術を手に入れ、さらには会場を一体にするコール&レスポンスという武器まで身につけてしまいました。

そしてもう一つのポイントとなるのが「ライブ全体の構成力」です。序盤は立て続けにアッパーな曲を連発して会場のテンションを上げていき、続く長めのMCでは観客の体力を回復させつつテンションはキープオン。ゆったりとした曲で会場の空気を深めた後は平田ぱんだがギターを手に取ってステージに変化を加えます。そしてミドルテンポ・ナンバーでセンチメンタルな雰囲気を作り、ちょうど観客が身体を動かしたくなった頃にアッパーなロックンロール・ナンバーとコール&レスポンス、そこから“ロックンロール”での大合唱ですっきりと気持ちよく本編が終了し、アンコールでは残った体力をすべて出し尽くすかのごとくロックンロール・ナンバーを連発。曲と曲の合間には気の利いた一言やパフォーマンスがあるので観客の集中力は保ち続けられます。

これだけ一連の流れが完成されたライブに、筆者は日本のヒップホップ・グループTHA BLUE HERBのライブを想起させられました。THA BLUE HERBの「一分の隙もなく練りに練られたセットリストを即興を交えて完璧にこなす」ライブは、ライブというよりも完成されたショーケースといった印象があり、その点においてボヘミアンズのライブは近いものがあります(もっと言えば、曲の歌詞の一部を変えてその土地の名前を入れるあたりも似ています)。ボヘミアンズのライブを見て、もしかしたら「芝居がかり過ぎている」と拒否反応を示す人もいるかもしれませんが、とことんまで演出にこだわった彼らの手法はロックバンドのライブにおける一つの理想形でもあります。ぜひともDVDやBlu-rayなどのライブ映像集を発売して欲しいものです。

◆次のツアーは秋
初の全国ワンマン・ツアーの興奮も冷めやらぬうちに、なんと次の全国ワンマン・ツアーが秋に決定しています。「THE BOHEMIANS ワンマン・ツアー2012 ~ THE BEST OF THE BOHEMIANS Volume 1 ~」と名付けられた次回のツアーでは新旧織り交ぜたバンドのベストアルバム的な選曲のツアーになるとのことで、遊びに行けば充実した時間をたっぷりと過ごせるのは間違いありません。しかも、東京と大阪の会場は「Is this pop? Tour 2012」の2倍のキャパシティ(!)となっており、バンドの勢いの凄さがうかがえます。今回のツアーではタイミングが合わずに悔しい思いをした人や、新たにTHE BOHEMIANSに興味を持ったという人はぜひ足を運んでみてください。特に「信じてるのはロックンロールだけさ」と臆面もなく心の底から叫んでみたいという人にお勧めです。

【THE BOHEMIANS ワンマン・ツアー2012 ~ THE BEST OF THE BOHEMIANS Volume 1 ~】
10/19(金) 福岡・DRUM SON
10/21(日) 大阪・梅田 CLUB QUATTRO
10/28(日) 札幌・KRAPS HALL
11/04(日) 東京・恵比寿 LIQUID ROOM


※公演の詳細やチケット情報などは7/1(日)頃にオフィシャルサイトにて発表されます

近日中にTHE BOHEMIANS全員の直筆サイン入りポスターが当たる読者プレゼント記事を掲載しますので、お楽しみに!

Photo by H.Izuno(iznyland)

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