今までAppleの独壇場だったタブレット市場を激変させる可能性のある新型タブレット「Nexus 10」をGoogleが発表しました。
また、32GBモデルの「Nexus 7」や新型スマートフォン「Nexus 4」、そして最新バージョンとなる「Android 4.2」も合わせて発表されています。
◆「Nexus 10」「Nexus 7」「Nexus 4」「Android 4.2」発表
Nexus: The best of Google, now in three sizes | Official Google Blog
今回Googleが発表したのはNexusシリーズ3機種と「Android 4.2」。「Nexus 10」はSamsung、「Nexus 7」はASUS、「Nexus 4」はLG電子製です。
・Nexus 10
キズが付きにくい「ゴリラガラス2」採用の10インチWQXGA(2560×1600)液晶、iPhoneなどのCPUを手がけていたSamsung独自開発のデュアルコアCPU「A15」とGPU「Mali T604」、2GBメモリを搭載したAndroid 4.2タブレット。MIMO技術採用のWi-Fiでさらなる高速通信を実現しており、11月13日(火)から販売開始。価格は16GBモデルが3万6800円、32GBモデルが4万4800円。
前面には190万画素、背面には500万画素カメラを搭載。なんと「Google+ハングアウト」の機能を使えば同時に9人までのビデオチャットも可能。バッテリー容量は9000mAhです。
さらに「Chrome」でウェブブラウジングを行った場合、ハードウェアアクセラレーションによるページの描写、スクロール、ズームなどがスムーズかつ高速に行うことができるほか、同じボックスから直接、検索と移動が可能。パソコンとブックマークやタブを共有することもできます。
ちなみに先日発表された「iPad Retinaディスプレイモデル(Wi-Fiタイプ)」と比較すると、主な優位点は以下。「iPadより高解像度で薄く軽く、そして安い」というのが「Nexus 10」の強みです。
画面解像度:Nexus 10(2560×1600)、iPad(2048x1536)
薄さ:Nexus 10(8.9mm)、iPad(9.4mm)
重さ:Nexus 10(603グラム)、iPad(652グラム)
16GBモデルの価格:Nexus 10(3万6800円)、iPad(4万2800円)
・Nexus 7(32GBモデル)
高画質な3Dゲームにも対応したNVIDIAのクアッドコアプロセッサ「Tegra 3(1.3GHz)」や1GBメモリ、傷に強いコーニング社製ガラスを採用した7インチHD(1280×800)IPSディスプレイ、120万画素前面カメラ、IEEE802.11 b/g/n対応無線LAN、NFCを搭載したAndroid 4.1タブレット「Nexus 7」には32GBモデルが追加されて発売中。価格は2万4800円です。
こちらも先日発表された「iPad mini」と比べてみたところ。iPad miniはNexus 7と比較して液晶が大きいにもかかわらず解像度が低く、CPUのコア数や本体価格でも引けを取りますが、背面カメラの存在や薄さ、重さでは優位ということに。
画面解像度:Nexus 7(1280×800)、iPad mini(1024×768)
プロセッサ:Nexus 7(Tegra 3、クアッドコア1.3GHz)、iPad mini(Apple A5、デュアルコア最大1GHz)
カメラ:Nexus 7(前面120万画素カメラのみ)、iPad(前面120万画素、背面500万画素)
薄さ:Nexus 7(10.45mm)、iPad(7.2mm)
重さ:Nexus 7(340グラム)、iPad mini(308グラム)
32GBモデルの価格:Nexus 7(2万4800円)、iPad mini(3万6800円)
・Nexus 4
キズが付きにくい「ゴリラガラス2」採用の4.7インチWXGA(1280×768)IPS液晶、クアルコムのクアッドコアプロセッサ「Snapdragon S4 Pro」、2GBメモリなどを搭載したAndroid 4.2スマートフォン。契約不要の8GBモデルが299ドル(約2万3800円)、16GBモデルが349ドル(約2万7900円)で11月13日から販売されますが、日本での発売予定は今のところありません。
前面には130万画素、背面には800万画素カメラを搭載。バッテリー容量はスマートフォンとしては大きい部類に入る2100mAhです。
・Android 4.2
「Android 4.2」ではカメラ機能や文字入力機能の改善、複数ユーザーによる使用、ワイヤレスディスプレイのサポートに加え、通知画面から直接アクションを起こせるようになるほか、位置情報連動で有益な情報を得られる「Google Now」や声を用いたウェブ検索機能の強化、NFCを利用した端末間通信機能「Android Beam」での連絡先・YouTubeの動画共有、ウィジェットのカスタマイズ機能強化……などが提供され、使い勝手が向上する予定。
そして最も大きなアップデートが、ユーザーが画面をタッチしているかどうかを判別し、触っているときは快適なレスポンスのためにCPUを高速に動作させ、触っていない時はCPUの速度を落とすという機能。これにより従来よりもスマートフォンのバッテリー寿命を伸ばすことが可能になるとされています。
◆「Nexus」シリーズはタブレット市場を変える?
メーカー各社が数々の「iPad対抗馬」を世に送り出しつつも決定的となるシリーズの存在に欠け、Appleの独壇場が続いていた10インチタブレット市場。今までのことを考えると、いくらiPadと十分渡り合えるほどのスペックと価格を兼ね備えた「Nexus 10」が登場したとしても難攻不落の状況は変わらないのではないか……と思わなくもありません。
しかしながらGoogleは「初めから死んでいる」として参入を嫌っていたAppleに先んじる形で7インチタブレット市場に参入し、Amazonの「Kindle」シリーズと共に、後発の「iPad mini」に対してスペックや価格競争力で勝ることに成功。これにより各社がAppleの後追いを続ける形となった10インチ市場と異なり、存在感を発揮できています。
そして7インチ市場で存在感を発揮できれば、それを足がかりに10インチ市場を含めたタブレット市場全体の流れを変えられる可能性も生まれてくるわけですが、タブレット版「Nexus」シリーズ各モデルの登場がAppleの独壇場を切り崩す引き金となることに期待したいところです。
・関連記事
iPad miniや第5世代iPod touch購入時の注意点、気になる「Apple A5」搭載モデルの製品寿命 | BUZZAP!(バザップ!)
フルHD液晶搭載「HTC J butterfly HTL21」速攻レビュー、国内最強スペックでiPhone 5を圧倒 | BUZZAP!(バザップ!)
わずか6.1インチで新しいiPadを圧倒する解像度、「IGZO液晶」はシャープ再建の要に | BUZZAP!(バザップ!)
シャープがApple・Google・マイクロソフト・Intelなどと業務提携交渉、国内・海外メーカーに新型液晶供給へ | BUZZAP!(バザップ!)