ついにNVIDIAが新型モバイルプロセッサ「Tegra 4」を正式発表しました。
競合するクアルコムのスマートフォン向けプロセッサ「Snapdragon」を圧倒するパフォーマンスに加え、モバイル機器にとって最も大事な「写真の高画質化」を実現したほか、同プロセッサを搭載した新型携帯ゲーム機「project SHIELD」までお披露目されています。
※詳細なスペックを追記しました。
CES 2013で行われているNVIDIAのカンファレンスの様子。Tegra 2およびTegra 3が振り返られ……
「Tegra 4」が正式発表。ARM社の「Cortex-A15」をベースにしたクアッドコアCPUに72コアのGPUを内蔵しています。
Samsung製のチップセット「Samsung 5250」を搭載した「Nexus 10」を圧倒するパフォーマンスに。
第4世代iPadに搭載された「Apple A6X」やDroid DNA(海外版HTC J butterfly)に搭載されたクアルコムの「APQ8064」と比較しても高いパフォーマンスを実現。まさに圧巻です。
そして「Tegra 4」は新たに画像処理に独自のエンジンを搭載することで、1枚の画像の中で明るいところと暗いところを同時に階調を残して表現することができる「HDR撮影」を高速化。
これが従来の処理機構。
新たに搭載された「NVIDIA COMPUTATIONAL PHOTOGRAHY ENGINE」によって、従来の10倍の速度でHDR撮影が可能に。平たく言うと「高画質な写真を高速に撮れるようになる」というわけです。
HDRの実演デモ。左が補正前で右が補正後。暗く、くすんだような写真が一転して明るく、見やすい写真になっています。
・16:30追記
NVIDIAのプレスリリースによると、「Wayne」というコードネームで開発されていたTegra 4は72個のカスタムコアを持つNVIDIA GeForce GPUによってGPU能力が「Tegra 3」の6倍に引き上げられ、4K(3840×2160)の動画をサポートしたほか、ARMの最新型CPUコア「Cortex-A15」を初めて4個搭載することで、ウェブブラウジングのスピードが2.6倍に向上。
さらにTegra 3に続いて搭載されるバッテリセーブ型コアが第2世代へと進化したことや、高い描画能力を提供しつつバックライトの消費電力を削減できる「PRISM 2D Display」技術を採用することで、一般的な利用シーンでの消費電力はTegra 3と比べて最大45%も削減可能とのこと。
NVIDIAはTegra 4について「携帯電話に搭載した場合、HDビデオを最大14時間再生できる」としていることから、シャープのIGZO液晶と組み合わせれば長時間駆動も期待できると思われます。
また、オプションとして提供される第5世代の「NVIDIA Icera i500プロセッサ」を使えば、世界的に普及しているLTEによる音声通信とデータ通信にも対応可能。これにより今までのようにクアルコムなどが製造しているLTE対応通信チップセットを別途搭載する必要が無くなるため、「脱クアルコム」がより鮮明に。
しかしながら同時にNTTドコモが富士通やNECなどと開発を進めているLTE対応の国産通信チップセットが搭載される機会が減る可能性も予見され、LTE対応通信チップセットで海外に打って出ようとしている国内勢にとっては厳しい展開となりそうです。
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