72コアのGPUを搭載したNVIDIAの「Tegra 4」に続いて、クアルコムの「Snapdragon」シリーズの最新モデルがついに発表されました。
全体的な処理速度が上がっただけでなく、LTEの通信速度や通信品質の向上も期待できるため、「今は買うな時期が悪い」が加速することになりそうです。
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クアルコムのプレスリリースなどによると、同社は新型Snapdragonプロセッサ「800」および「600」「400」「200」シリーズを展開するそうです。エントリー向けを除く「800」「600」の詳細は以下の通り。いずれも28nmプロセスで製造されたことで、消費電力が低減されています。
◆800シリーズ
・最大2.3GHz駆動のクアッドコアモデル
・「HTC J butterfly」などに採用されている「Adreno 320」の2倍以上のグラフィック性能を実現した新型GPU「Adreno 330」搭載
・12.8Gbpsのバンド幅を実現する2x32bit LPDDR3 RAM(800MHz)
・下り最大150MbpsのLTE「UE Category 4」や最大1Gbpsの無線LAN「IEEE802.11ac」対応
・複数の周波数帯を束ねて通信速度を上げる「キャリアアグリゲーション」対応
・4096×2304の「UltraHD」をサポート
・DTS-HDやDolby Digital Plus and 7.1 surroundに対応
・Snapdragon S4 Proと比較して75%のパフォーマンス向上
・1080p、30fpsの動画や最大5500万画素の画像処理が可能なプロセッサ
・2013年半ばに搭載された商用端末が発売予定
◆600シリーズ
・最大1.9GHz駆動のクアッドコアモデル
・GPUは「HTC J butterfly」などに採用されている「Adreno 320」
・LPDDR3 RAM
・Snapdragon S4 Proと比較して40%のパフォーマンス向上
・2013年第2四半期に搭載された商用端末が発売予定
◆2013年のスマートフォンは夏モデルに注目
このように搭載されることで全体的な処理能力向上が期待される新型Snapdragonですが、やはり注目するべきは携帯電話各社の夏モデルが搭載すると思われる、800シリーズの「キャリアアグリゲーション」機能。
複数の周波数帯を束ねて通信速度を上げる同機能ですが、NTTドコモやKDDIは800MHz、1.5GHz、2.1GHz帯で展開しているLTEを、ソフトバンクは自社の2.1GHz帯とイー・モバイルの1.7GHz帯のLTEを束ねることができるようになるため、通信速度の飛躍的な向上や通信品質の安定が期待できます。
今後各社スマートフォンで主流になるとみられる「フルHD液晶」や本日発表された「Xperia Z」のカメラに搭載された新型センサー「Exmor RS」、そして新型Snapdragonのすべてを詰め込んだ「全部入り」のスマートフォンが登場することを心待ちにしたいものです。
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