ソフトバンクの「つながりやすさNo.1」の正体が明らかに


昨今ソフトバンクがテレビCMなどを用いてアピールしている「つながりやすさNo.1」の正体が明らかになりました。



◆「つながりやすさNo.1」をアピールするソフトバンク
昨年7月に900MHz帯を用いた3G通信サービスの提供を開始して以来、つながりやすさを盛んにアピールしているソフトバンクですが、今年に入ってNTTドコモやKDDIと比較して、最もつながりやすくなったと主張するようになりました。

つながりやすさ No.1へ:プラチナバンド 特設サイト | ソフトバンクモバイル

特設サイトに掲載されたグラフ。通話接続率が98.2%に達し、1位になったとしています。

◆スマートフォンとフィーチャーフォンで異なる調査結果
今回の調査について、ソフトバンクは世界第2位の調査会社「Ipsos」による、毎月約18万6000件の音声発信回数をベースにしたものであることを主張。れっきとした第三者機関による調査データに基づいたとしています。

通話接続率調査結果を発表 | IPSOS IN JAPAN

実際にIpsosの日本法人が発表した調査結果。1月30日~2月5日にソフトバンクの接続率が3社中トップの98.2%となっていますが、調査期間全体での平均値を算出した場合、NTTドコモは98.0%、KDDIが98.4%、ソフトバンクが98.2%(いずれも小数第2位切り上げ)で、ソフトバンクは2位となります。

そしてもう一つ大事な点が、実は上記の調査結果はスマートフォンに限定されたもので、フィーチャーフォンでの接続率はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの順番のままであるというところ。決して携帯電話全体でソフトバンクのつながりやすさが1位になったというわけではありません。

さらに今回の調査ではフィーチャーフォン利用者が全体の約6割を占めているため、よりサンプル数の多いフィーチャーフォンでの調査結果の方が精度が高いということになるわけです。

スマートフォン利用者(NTTドコモ:約3,400名、au:約3,700名、ソフトバンク:約5,300名、計:約12,400名)、
従来型携帯電話利用者(NTTドコモ:約6,600名、au:約6,300名、ソフトバンク:約4,700名、計:約17,600名)


◆条件を限定した上での比較結果のはずが、「つながりやすさNo.1」に
このようにソフトバンクが主張する「つながりやすさNo.1」は本来スマートフォン限定のものであるはずですが、公式サイトやテレビCMなどでは「携帯電話の繋がりやすさが1位になったこと」がひたすらアピールされているのが現状。

確かに同社が掲示しているグラフには「スマホ接続率」と書かれてはいるものの、まさかフィーチャーフォンでは全く異なる結果になると、誰が気付けるのでしょうか。

また、このようなやり方は今回に始まった話ではなく、NTTドコモやKDDIが展開している、つながりやすい800MHz帯のLTEをあえて無視し、2.1GHz帯のみをカバーしたiPhone 5に対象を限定して、さも自社のLTEサービスが最も優位であるかのような比較を行うなど、常に何らかのカラクリが仕込まれてきました。

ネットワークの改善を進めてきた成果が見えつつあるソフトバンクですが、同社が用いる比較には依然として「独自の尺度」があることに注意を払う必要があるようです。


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