KDDIも通話中データ通信対応か、CDMA2000を捨ててLTEに特化した携帯電話が登場へ



iPhone 5の発売を受け、ようやく携帯電話各社がこぞってサービスを展開することとなった次世代高速通信「LTE(Long Term Evolution)」。

しかしながらカバーエリアなどの関係から、現在発売されているLTE対応機種は既存の3Gネットワークを併用していますが、3Gを捨ててLTEに特化した機種が登場することが明らかになりました。



Verizon plans to drop CDMA from phones in 2014 in favor of pure LTE | ExtremeTech

この記事によると、アメリカ最大の携帯電話会社Verizonが2014年にLTEのみに対応した機種の発売を開始するそうです。

現在の携帯電話各社は「LTEエリア外では音声通話とデータ通信を3G、LTEエリア内では音声通話を3G、データ通信はLTE」というように、LTE回線をデータ通信のみに利用していますが、Verizonはパケット通信を使って音声通話を実現する「VoLTE(Voice over LTE)」と呼ばれる技術を用いることで、LTEネットワークで音声通話とデータ通信の両方を実現するとのこと。

3GからLTEネットワークへの全面移行を進めることで、携帯電話会社が得られるメリットは以下の通り。特に3GにCDMA2000を採用しているVerizonやKDDIなどの携帯電話会社にとって、「通話中のデータ通信ができない」といった仕様面での制約を克服できるのは大きいのではないでしょうか。

・従来よりも高音質な通話が期待できる
・3Gをサポートせずに済むため、端末の製造コストを削減可能
・既存の3Gサービスに割いている周波数帯をLTEに振り分け、より高速通信が可能に
・CDMA2000規格による「通話中データ着信ができない」などの制限が解決


あくまでLTEのカバーエリアを現行の3Gに近づけてこその話であるため、LTEに一本化された端末が発売されるのは国内外ともにまだ先の話であると思われますが、2012年4月にKDDIが総務省の情報通信審議会 情報通信技術分科会に提出した資料では、同社がVoLTEを導入することがロードマップに含まれているため、同技術によって少なくともLTEエリア内では音声通話とデータ通信が両立できることになると考えられます。


なお、KDDIはNTTドコモ同様、基地局1台あたりのカバーエリアが広く、全国カバーを実現しやすい800MHz帯のLTE整備を推進しているため、今後に期待したいところです。


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