東京では凄まじい猛暑の中でコミケが過去最大級の人出を記録していますが、同じく暑さでは定評のある京都ではその真逆を行く古本のまつりが行われています。
最新の薄い本が争奪戦になるコミケの完全に逆を行き、どこかのお屋敷の書庫に眠っていたかのような色あせた巨大な全集本や梶井基次郎の「檸檬」に出てきそうな美術書がところ狭しと並び、老若男女が古本を求めてディグりまくるまつり、それが京都の古本まつりです。
その中でもお盆に合わせて開催される京都三大古本まつりのひとつ、下鴨納涼古本まつりはアニメ「四畳半神話大系」の冒頭にも登場し、原作者森見登美彦の小説にも描かれる京都の真夏の風物詩のひとつ。主催は京都の若手古本屋が運営する京都古書研究会です。
世界文化遺産の下鴨神社の鎮守の森である糺の森の長大なスペースに京都中の古本屋が出店を出し、ここぞとばかりに秘蔵のアイテムから一般人が見たらまったく価値の分からない本までが陳列されます。
第26回目となる今年は40店舗が参加、各店とも個性豊かな品揃えで京都の古本愛好家たちを迎え撃ちます。記録的な猛暑となった初日の模様をレポートします。
こちらが下鴨神社の糺の森の入り口。大きな看板とのぼりが立っています。
瀬見の小川の橋を渡ると古本まつりの会場。目の前にはかき氷や冷やしぶっかけうどん、ビールやジュースを売ってくれる喫茶コーナーが。
既に行列ができています。糺の森の中は外よりも気温はぐっと下がり、直射日光も避けられますが、それでもこの猛暑では少し歩くだけで汗だく。ある意味このまつりの生命線です。
歩き始めるとこの大勢の人。面白いのはありとあらゆるタイプの人が訪れていること。年季の入った読書人風のおじいさんから中年の夫婦、家族連れ、浴衣を着た観光客っぽい女の子、京大生風のグループ、中高生まで、性別も年代も服装の感じもとにかくばらばらです。
緋毛氈の敷かれた縁台があちこちに置かれているのもやはり京都らしくてよいですね。
料理本や歴史書が集められていたり文庫本1冊100円、10冊500円などというコーナーも。
こちらは児童書コーナー。子供たちが熱心に見入っていました。
暑すぎて瀬見の小川で涼む人たちも。
一周するだけで倒れそうなほどの暑さです。下を向いて本を探していると目に汗が入ってしみます。
暑すぎて離脱、喫茶コーナーでかき氷をゲット。抹茶ミルクで京都らしさを演出してみました。
品揃えは毎日追加されたり変更されたりすることに加え、気力体力の限界と熱中症の危険から、1日行っただけでは全てチェックしきれないのもポイントです。それでもお宝が眠っているのでもう1店だけ…と、まるでトルストイ民話集の「人にはどれほどの土地がいるか」状態になってしまう不思議な魅力があることは間違いありません。
公式情報は以下のとおり。五山送り火が執り行われる8月16日まで連日開催されています。
「第26回下鴨納涼古本まつり」
開催日 :2013年8月11日から16日
場 所 :下鴨神社糺の森
〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59
営業時間 :10時~17時30分(最終日16日は16時にて閉場)
お問い合せ:080-6141-7925
京都古書研究会ブログ
なお、秋には10月31日から11月4日に百萬遍知恩寺境内にて秋の古本まつりが開催されます。さすがに今は暑すぎるよ!という方はこちらを訪れてみてもいいかもしれません。
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