シムシティどころではない、半世紀に渡って2600枚の地図を描いて架空の世界を創造してきた男
50年前のある日、ある男性が描き始めたいたずら書きの地図が長い年月をかけて増殖し、広大な架空の世界を作り上げてしまいました。
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Jerry Gretzingerさんが自分の頭の中にしかない地図を描き始めたのは今から50年前の1963年。ほんのいたずら書きのつもりで始めたものでしたが、それは毎日の日課となり、ついには185平米の広さに2600枚の地図に及ぶ世界を作り上げてしまいました。しかもこの世界、今もまだ成長を続けています。
(クリックで拡大)
Jerryさんは最初、描き始めた都市を成長させていきましたが、ある日住民たちは生きるために食べなければならないことに気付きます。そして都市の周りに農地を配置し、川を流し、森や墓地を作りました。更には鉄道駅、空港を作ることで都市と周辺の小さな町をつなぐ交通網を作り上げました。
Jerryさんは自由にこの世界「Ukrainia」を創造しているように見えますが、そこにはルールが存在しています。それが「カードデッキ」です。Jerryさんは毎日ここから1枚カードを引き、そこに書かれている内容を元に世界を描き、時には変更を加えていきます。
そしてこの世界には中二病的設定として、「侵食する空白(Invading Void)」が発生しており、ときとともに世界を呑み込んでいってしまいます。しかしUkrainiaの側でも防壁を張り巡らせるなどして対抗中。
なお、この世界が今後どうなるかはJerryさんのドローによって展開しているため、今は本人にもわからない状態。果たして世界は空白の侵食を食い止めて存続することができるのでしょうか。Ukrainiaは地図による壮大な小説の様相を呈しています。
本人がこの世界を解説するショートムービー(英語)は以下から。
Jerry’s Map on Vimeo
また、この地図にはオンライン版が存在しており、Google Mapのように閲覧できます。右のバーで拡大縮小できる他、左ダブルクリックで拡大、右ダブルクリックで縮小となっています。
小説やゲームで架空の世界地図を見るとワクワクしますが、これは格別。この地図を舞台とした作品を考えてみるのも面白そうです。
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